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チェチェンニュース
Vol.01 No.09 2001.06.16

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■ロシア軍、チェチェン東部の村を封鎖

9日、首都グロズヌイから東に40km離れたMairtup村において、ロシア軍の装甲車が地雷を踏み、2名が死亡した。この事態を受けてロシア軍は住民への尋問のために大規模な封鎖を開始した。現在村への出入りは一切許可されないままである。

ウラジミル・モルチンスキー報道官は「犯人は必ず罰せられなければならない。我々は"目には目を"で対処するわけではないが、今後この村に平穏は保証できない」と語った。

一方、チェチェン独立派によると6日、Mairup村で子供、老人を含む27人の村人がロシア軍に拘束され、うち24人は生存し、近隣の村で発見された。この人々はロシア軍の暴行を受けており、手当てを必要としている。3人はいまだに行方不明。

独立派は他にも「4日にもスタールイアタギとチリーユルトでロシア軍による"洗い出し"が行われ、およそ100人が拘束され、行方不明になった」と報告している。9日、AFP/6日、11日、チェチェンプレス

■「チェチェン難民は30万以上」ロシア公式筋発表

ロシア非常事態省のウラジミル・パブレンコ氏が公式にインターファックス通信に語ったところによると、チェチェン紛争のために、30万人以上が難民化している。うち15万人はイングーシ共和国に、10,500人がダゲスタン共和国やスタブロポリ地方などの隣接地域に避難しており、これらとは別に148,500人が国内難民化しているとした。10日、AFP

■ロシアの人権活動家たちが、西側各国に対してチェチェン和平のためのアピール

「チェチェン紛争はロシアにとってだけでなく、世界全体の恥辱でもあります」ソビエト時代からの人権活動家、セルゲイ・カバリョフ議員は、モスクワで開かれた「チェチェン戦争終結と平和構築委員会」の席上で語り、先進諸国はチェチェン紛争において「沈黙の共犯」を演じていると指摘した。

同委員会は今年3月に結成され、議員のセルゲイ・カバリョフ、ボリス・ナデズリン、セルゲイ・ユシェンコフ氏らと、イングーシ共和国のアウシェフ大統領、著名な人権活動家のエレーナ・ボンネル女史などが参加している。

同委員会はブッシュ米大統領を始め、イタリアのジェノアで7/21-22に開かれるサミットの各首脳に対しても「ロシアのプーチン大統領と、チェチェンのマスハドフ大統領との和平交渉を提案されるよう要望します」との書簡を送付している。書簡は同時に、ロシア政府首脳が言う「対テロリスト作戦」の実際は「チェチェンの全国民に対する軍事行動」であると指摘した。

チェチェン共和国のマスハドフ大統領は和平による解決策を強く支持するとの立場を明らかにしているが、プーチン大統領からの返事はない。

「チェチェンでどんな残酷なことが起こっていようと、国際社会は沈黙し、ジャーナリストもまた語ることを恐れている。われわれが今回の書簡を書いた目的はそこにあります」委員会メンバーのユーリ・ルバコフ議員は語った。

チェチェン進攻によるロシア軍の犠牲者は、政府発表で3千人程度とされているが、ロシア兵士の母親委員会によると、推定ではその3倍の犠牲がでており、実数はあいかわらず隠されているという。

書簡は米国のほか、イギリス、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、そして日本の首脳に送付されている。14日、AFPほか

■マスハドフ大統領へのインタビューと報道規制

先月末、チェチェン共和国のマスハドフ大統領はロシアのノーヴァヤ・ガゼータ紙のインタビューに対して「ロシアとの和平交渉は可能であり、不可避でもある。問題はクレムリンの中に、冷静かつ合理的に対話のできる相手がいないことだ」と答えた。

和平交渉についてのロシア政府の公式なコメントはないが、ヤストルゼムスキー・チェチェン問題担当報道官はこのインタビューを行った著名なジャーナリスト・アンナ・ポリコフスカヤ女史の行動に対し次のように述べた。

「ロシアの有力紙がチェチェンのテロリストに対してページを割いたのは非常に残念なことだ。マスハドフは武装反乱のかどで連邦の指名手配人物である。今後、こうした過激派の視点からの報道を法で規制することも考えてゆくべきだ」(5/29)

マスハドフ大統領へのインタビューはロシアの他のメディアでも行っているが、当局の介入を恐れて、多くは日の目を見ていない。同大統領はインタビューの中で次のように述べている。「この戦争はすでにロシアの敗北が見えている。クレムリンもそのことを知っているし、軍の士気も落ちている」

■OSCE、チェチェンへのミッションを再開

OSCE(欧州安保協力機構)の議長、ルーマニアのMircea Geoana外相は、OSCEチェチェン支援団(OSCE Assistance Group in Chechnya)のチェチェン現地事務所の再開のため、15日にチェチェン入りする。現地事務所はロシア軍の警備協力のもと、チェチェン北西の町ズナーメンスコエに置かれる。

OSCEチェチェン支援団は、人権と自由の回復、人道救援物資の供給、そして紛争の平和的解決とチェチェンの安定化を目的に活動を行っている。支援団は95年に設置され、当時の第一次チェチェン戦争の際、ロシア政府とチェチェン独立派の仲介を行い、停戦合意に寄与した。しかし98年、チェチェン内の治安悪化のために現地事務所を閉鎖、モスクワに事務所を移転していた。

OSCEは現在、トルコ、ドイツ、チェコの各政府およびドイツの民間企業による資金提供を受け、ズナーメンスコエの難民キャンプの子供達に対する心理的ケアや、養護学校の設置、グロズヌイで飲料水の確保のための濾過器の配付などを進めている。11日、OSCE/14日、AFP

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