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チェチェンニュース
Vol.01 No.11 2001.07.08

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■チェチェン戦争で子ども400人が死亡、2000人が孤児に/ロシア当局者認める

7月2日、ロシア側当局者がインターファックス通信に語ったところによると、小学生以下の子ども400人がチェチェン戦争によって死亡し、2000人の子供が両親を失った。

ロシア政府のチェチェン復興部門の教育担当者、ワシーリー・ミゼリコフ氏は、さらに6000人の未成年者がこの戦争によって家を失ったと述べた。1999年の戦争勃発以来、はじめてロシア政府筋が民間人の被害についての言及。ロシア軍による第二次のチェチェン進攻はすでに2年近くが経過しているが、現在もレジスタンスの活動を制圧することができず、発表によると3000人以上のロシア兵が犠牲になっている。ロシア兵士の母親委員会は、犠牲者の実数はその3倍以上にのぼると指摘している。(7月2日、AFP)

■親ロシア政権、チェチェン議会選を準備ガンタミロフ/元グロズヌイ市長が記者会見で明らかに

6月29日、チェチェンにおける親ロシア政権のガンタミロフ/元グロズヌイ市長は、モスクワでの記者会見で、新しいチェチェン議会選挙のための作業グループを立ち上げ、来春の選挙実施を目標に活動を開始することを明らかにした。日刊紙コメルサント・デイリーの報道による。

さらに、ガンタミロフ氏自身が参加する別のグループを設置し、チェチェン共和国の新憲法の検討を開始すると表明。新憲法は「連邦からの離脱をかかげず」、タタルスタン共和国型の憲法を模索するが、「幅広いチェチェン人の意向」をくみ、かつ新たな戦争を防ぐものになると、ガンタミロフ氏は加えた。一方、独立派のマスハドフ大統領との平和的解決に向けた対話については強く否定した。(7月2日、ラジオ・リバティ)

■地雷により、ロシア兵6人死亡

7月1日、セルノボツクと首都グロズヌイで、地雷により6人のロシア兵が死亡した。現地の警察筋などからの情報によると、セルノボツクの南部で、移動中のロシア軍の車両に対して、遠隔操作による地雷が爆発して、5人が死亡した。インターファックス通信は、グロズヌイでも地雷による攻撃があり、ロシア兵1人死亡、数人が負傷したと伝えた。(7月2日、AFP)

■グルジア、チェチェンとの国境管理を強化

7月2日、グルジア政府はチェチェンとの国境に近いパンキシ渓谷の警備を強化すると発表した。

グルジア内務省軍の司令官、ゲオルギー・シェヴァシゼ氏によると、グルジア国籍を持つチェチェンからの移民と、チェチェン紛争による難民8000人に対するチェックを強めることで、誘拐と麻薬の流通を防ぐという。チェチェンとの国境警備の強化をロシア政府側に示す狙いと見られる。

ロシア政府は以前から、パンキシ渓谷を拠点としたチェチェンのレジスタンスの行動に対して、グルジア政府が目をつぶっていると批判している。グルジアのシュワルナゼ大統領は、「数百人」のチェチェン独立派レジスタンスが国境近くをベースに活動していると認めたばかり。(7月2日、AFP)

■チェチェンを訪問中のロシア議員、独立派との対話を要望

7月2日、ロシア議会の"チェチェン政治経済平常化支援委員会"に参画する10人の議員が、チェチェンの首都グロズヌイ入りし、現地の情勢について意見を交換した。

グロズヌイで開かれた同委員会の公聴会では、チェチェン選出のアスランベク・アスラーノフ議員が、自身はチェチェンのマスハドフ大統領の支援者ではないことを明らかにした上で、「モスクワは、戦争を終わらせるために、マスハドフ大統領との無条件の和平交渉を開始するべきだと信じる」と発言した。

しかし、親ロシア政権の責任者、アフマド・カディロフ氏は「マスハドフの任期は終わった」と断言して、対話の可能性を否定した。一方、アスラーノフ議員は、ロシア軍が続けている、恣意的なチェチェン市民の拘束を中止することと、ロシア軍の段階的な撤退を強く要請した。同議員は、今後数ヵ月のうちにチェチェン市民の安全が保証されない限り、議員を辞職すると公式に表明している。(7月3日、ラジオ・リバティー)

■民間人への掃討作戦により、新たに数百人の難民

7月4日、ロシア軍による掃討作戦が行われているチェチェンの村落から、500人の難民がイングーシ共和国/スレプツォフスカヤの難民キャンプに到着した。

チェチェンの西隣りのイングーシ共和国との国境に近いセルノボツクとアシノフスカヤでは、7月1日に起こったロシア兵6人の殺傷事件ののち、2日の月曜日から掃討作戦が開始された。セルノボツク村は警察とロシア軍によって封鎖され、成人男性が連行された。月曜日以降、500人の住民がロシア軍の攻撃を恐れてイングーシのスレプツォフスカヤに避難した。

「私は恐ろしくて村にいられなかった」アダム・アスタミロフさん(46)と19歳と22歳の息子たちはセルノボツクを離れる許可を得る前に事情聴取された。彼は言う。「ロシアの役人たちは戦争はもう終わったと言っていた。でも状況は悪くなるばかりだ」

目撃者によると、400人前後の人々がセルノボツクから連行され、ロシア軍基地近くの屋外で1日がかりの身元確認を受けた。今のところ全員が釈放されている。ロシア軍は3日にも、近くのアシノフスカヤで同様の作戦を行っている。

「ロシア軍は15歳から50歳の男をすべて連行して、村の外に掘った穴のなかでひざまづかせたんだ」"ムラド"という21歳の若者は語った。

「やつらはそこに僕らを1日中入れておいて、動くなと命令してライフルの銃底で殴ったり、犬をけしかけたり、電気ショックを加えた」ロシア軍はほとんどの拘留者を3日の夕方には解放したが、まだ40人ほどが残されているはずだと、ムラドは語った。

ロシア連邦軍は1年以上にわたって、チェチェンの大部分を制圧しながら、少数のチェチェン側レジスタンスを鎮圧できずにおり、ロシア軍が攻撃されるたびに、チェチェン人の男女を、街頭や家々から連行している。連行された被害者の一部は死体として発見されており、各人権団体はロシア軍による拷問および処刑として追及しているが、軍側は否定している。

今週、独立系の新聞「ノーヴァヤ・ガゼータ」は、これまでの数ヵ月の間に、少なくとも15人の民間人が南部のベデノ地区のいくつかの村でロシア軍に殺害された疑いがあると報じた。同紙によると、ロシア兵は村の家々に押し入ってはウォッカを要求したり、住民を連行するなどしたという。同紙の記者、アンナ・ポリコフスカヤ女史はロシア連邦軍の虐待行為を報じたために今年始めに軍に拘束された。彼女によればロシア兵は道を行く村人を射殺し、その被害者の名前と年齢のリストさえ作っていたという。

ロシア軍は、94年から96年の第一次戦争でチェチェンから撤退し、99年にチェチェンの民兵組織によるダゲスタンへの侵入と、モスクワなどでの爆弾事件をきっかけに再進攻している。(7月4日、AP)

■イベント情報 【チェチェン戦争を考えるビデオ上映会】

一昨年秋から続く第2次チェチェン戦争の実態と難民の現状を考えるビデオ上映会です。第1次チェチェン戦争以来難民支援活動と平和解決を求める活動を続ける中で集めてきたビデオを上映します。

日時:7月28日(土)午後5時から8時会場:市民平和基金事務所東京都文京区白山1-31-9 小林ビル3階(都営三田線白山駅A1出口下車、右すぐモスバーガーのビル3階)参加費:500円主催:市民平和基金電話03-3813-6758 FAX03-5684-5870E-mail:peacenet@mvb.biglobe.ne.jpホームページ:http://www2u.biglobe.ne.jp/~cfp

■編集室より

桜散る四月の創刊から数えて11号、すっかり夏らしくなった日差しで机が明るい。これまで80人近い方から、購読申し込みと経費の寄付をお寄せいただいた。筆者の身近にも、小紙を購読して下さる方が増えている。

軍事情勢としては、ヒットエンドラン戦法と地雷で優位を得はじめたチェチェン独立派と、拠点を守るのに精一杯のロシア軍、親ロシア政権という構図。

しかし戦争によって得た平和が、再び戦争によって破られたのがここ数年の経緯。日本から、別の道をさぐることは可能と思う。それを考えるための情報を提供していきたい。少しづつ。(発行人)

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