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チェチェンニュース
Vol.02 No.34 2002.09.26

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【難民】

■ロシア当局、難民キャンプの強制立ち退きを迫る(その2)

9月17日、イングーシ共和国マルゴベク地域、アキ−ユルト村にある難民キャンプ「イマーム」の住民たちは、イングーシのムラート・ジアジコフ大統領にあてた訴状を提出し、イングーシ人と同国に住むすべての難民はみなイマームの難民を支持しており、力による退去はありえないことを伝えた。来る19日には、キャンプでのデモも予定している。

9月10日、ロシア内務省移民局のイゴール・ユナーシュ将軍をはじめとする一団の政府関係者がイマームに来て、キャンプが取り壊され、マルゴベクの別の場所への移動を命じた。その際に移動先には住居を用意してあると難民たちは告げられた。しかし難民たちは移住を拒否した。すでにイマームのキャンプは冬季の準備さえできているのだ。これに対して将軍は「必要なら連邦軍を導入する」と言った。難民たちは移住先に仲間を送って様子を見たが、とても住める場所ではない、というのが彼らの判断だった。

スレプツォフスカヤの近くにある「アリナ」キャンプの住民たちもまた、ブライローバの町長から、キャンプを出るよう圧力を受けている。「出て行け」町長は繰り返しそう言っている。

国連高等難民弁務官は、数日前にイングーシの難民の状態を調べるために職員を送った。弁務官補佐のロバート・ロビンソン氏はジアジコフ大統領ら政府関係者と会った。ロビンソン氏によると、関係者はみな難民の自主的帰還権を保障した。ユナーシュ将軍はロビンソン氏に対して、イングーシにおける難民の生活環境を向上させるためのプランを語った。イマームの閉鎖という政府の方針については、新しい居住地には、保健施設、水道、ガス、電気が準備されており、今のところよりずっとよいはずだと請け負ったという。

http://www.prima-news.ru/eng/news/news/2002/9/18/16896.html

【チェチェン国内】

■マスハドフ大統領、テレビ放送で見解を語る

9月20日、チェチェン側のニュースサイトは一斉に、マスハドフ大統領のチェチェン国民に向けた談話がテレビ放映されたことを伝えた。これらを総合すると、大統領の放送は、ロシア占領軍の監視下にあるチェチェンの放送局を、一時的に乗っ取る形で放送された。

http://www.chechenpress.com/news/09_2002/7_20_09.shtml

http://www.kavkaz.org/russ/article.php?id=5497

http://www.chechen.org/modules.php?name=News&file=article&sid=1896

カフカスセンターなどによると、チェチェンREN-TVの視聴者は、マスハドフ大統領と、新設の軍事委員会代表に任命されたシャミル・バサエフ司令官の突然の登場を見ることとなった。音楽とインド映画に特化された放送局の番組が突然中断すると、「アッラー・アクバル」という声と共にロシア軍の装甲車が爆破され、殺された子供たちの写真などが画面を占めた。そしてよく知られたイチケリアの歌、「剣の影の下の天国」が聞こえた。

番組の中でマスハドフ大統領は、まず自分の死を伝える報道を否定した。同大統領は、チェチェン戦争の本質を、チェチェン国民の殺戮に対するジハード(聖戦)であるとした。大統領は全世界のイスラム教徒に、全面的なテロルと暴力に直面しているチェチェン民族への、一層の支援を要請した。番組は終始、中東のある国の特派員のインタビューを受ける形で進められた。

脇に従ったバサエフ司令官はほとんど無口であった。画面から判断するかぎり、撮影は屋内で行われたように思われた。大統領は、巨大な国旗を背にし、手元の卓上にはノートパソコンが開かれていた。放送は20分ほど続き突然終わったという。

この件に関連し、9月20日のロシア国営通信社インターネット情報サイト Strana.ru が運営するチェチェン共和国情報チャンネルは、アチホイ・マルタン地区サマシキ村の民営ローカルテレビ局が武装グループの襲撃を受け、全ての機器を2台の車両により運び去ったとのニュースを掲載した。(渡辺千明)

http://kavkaz.strana.ru/news/158876.html

■チェチェンプレスの二つの状況分析

9月23日、チェチェン国営通信社チェチェンプレスは、二つの状況分析を掲載した。

まずA.ハリドフは、『すべては夏−秋攻勢の一環として進行している』と題する記事の中で、マスハドフ大統領のテレビ放送によるチェチェン国民への呼びかけについて、「プーチン政権が1年前から主張してきた、もはやチェチェン武装勢力は、とるに足らない存在となったという論拠が完全に崩壊した」と指摘した。さらに、最近のゲラーエフ部隊のチェチェンへの帰還についても触れ、「独立派勢力の広範かつ強力な反攻を予想させる」とし、チェチェン議会国防・治安委員長A.マゴマドフの言葉でしめくくっている。「すべては拡大国家防衛評議会で策定された夏−秋攻勢の一環として進行している」

http://www.chechenpress.com/news/09_2002/5_23_09.shtml

また、T.ネミロビッチは、『チェチェンでの戦争は、あと最低2年は続くか?』の中で、ロシア国防相イワノフがポルトガル訪問中に随行記者団に語った談話を分析した。イワノフは、チェチェンに派遣中のロシア軍の兵卒を完全に契約志願兵(コントラクトニキ)にし、ここ2年間のうちには状況を好転させると発言した。ネミロビッチは、「これは国防相みずからがチェチェンでの彼らの苦境を認めたのだ。これまでの契約志願兵のチェチェンでの蛮行ぶりを見れば、一般住民への被害がさらに増すことは明らかだ」と指摘した。

http://www.chechenpress.com/news/09_2002/7_23_09.shtml

【陰謀】

■チェチェン軍事委員会、ロシア連邦保安局(FSB)の爆破陰謀を暴露

9月23日づけのカフカスセンターは、ロシア連邦保安局(FSB)によるモスクワ赤の広場の聖ワシリー寺院(注極彩色の玉ねぎ状の屋根が林立した象徴的な建物)を爆破、犯行をチェチェン独立派になすりつけようとしているという暴露記事を掲載した。これによると、計画では10月末にFSBは同寺院を爆破し、その責任をチェチェン人に着せようとしているという。

http://www.kavkaz.org/russ/article.php?id=5570

【文化】

■並河萬里氏の写真を通して見る、チェチェン文化の姿

8月、松江市に広がる宍道湖のほとりにある、「島根県並河萬里写真財団」を訪ねた。ここには世界の文化財や地方の習俗を撮影しつづけてきた写真家、並河萬里氏の写真約23万点が収蔵されおり、中にはチェチェン、イングーシの写真もあるという。並河氏は80年代にコーカサス地方を訪問しており、多数の写真を撮影していた。その一部、「チェチェン・イングーシの谷」と題されたシリーズの写真には、おどろくほど平和な風景が・・・

続きはこちら:
http://www.geocities.com/kafkasclub/namikawa/index.html

●並河萬里写真展「イスラム」開催中
島根県立美術館では、29日まで並河萬里氏の写真展が開催されています。近県の方はぜひご観覧ください。

島根県立美術館:
http://www2.pref.shimane.jp/sam/ja/index.html

島根県並河萬里写真財団:
http://www.imj.co.jp/simasha/

島根県並河萬里写真財団/イベント案内:
http://www.imj.co.jp/simasha/000/index03.html

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