チェチェン総合情報


チェチェンニュース
Vol.03 No.13 2003.03.21

ニュース目次へ
<-前号 次号->

発行部数: 898部

■チェチェン独立派議員32名、住民投票に賛成?

3月19日、1997年に国際機関の選挙監視の元に選出された議員数名が、ロシアのウラジーミル・ルシャイロ安全保障会議書記およびセルゲイ・ヤストルゼムスキー大統領報道官とモスクワで会い、63名中32名のチェチェン共和国議会議員が、23日に予定されている住民投票に賛成していると言明した。

これによると、この住民投票がチェチェン戦争に平和的解決をもたらすと期待していると言う。しかし同時に、住民投票で憲法が採択された場合、現在ロシア軍に対して抵抗を続けるチェチェン軍への参加者への恩赦も含まれなければならないと議員らは主張した。現在の誘拐やテロに対処するにあたって、これらの戦士たちの協力なくしては解決はおぼつかないとの判断によるものだという。ラジオ・リバティーが報じた。

ロシアの新聞 gazeta.ru によれば、同様の恩赦は2000年の対独戦争勝利55周年の際に行われたが、今回の提案に対してプーチン大統領の側近は否定的な見解を述べているという。

住民投票の直前になって起こったこの動きについて注意するべき点は、住民投票に賛成しているという、「32名」の議員の存在である。99年のチェチェン戦争開戦当初に、ルスラン・アリハジエフ/チェチェン議会議長がロシア側によって誘拐され、モスクワのレフォルトヴォ監獄に収監されて現在も生死不明である。このことを考え合わせると、チェチェンの議員たちがこのような声明に進んで署名したことは考えにくい。また、その数が過半数をちょうど過ぎた32名というのも、何らかの作為を感じさせる。(2003.03.21.大富亮/チェチェンニュース)

http://www.rferl.org/newsline/2003/03/200303.asp
http://www.gazeta.ru/2003/03/19/Noamnestyora.shtml

■チェチェン外相、新しい和平提案を発表

3月18日、チェチェン共和国独立派政府のイリアス・アフマドフ外務大臣は、ワシントンにおいて、チェチェン戦争の新しい和平提案を発表した。このプランの中で、チェチェンは「条件つき独立」という立場を得るべきだという。

これによると、チェチェンからはロシア軍が撤退した上、まず国連の統治下に入り、チェチェンの政治状況の充実までは国連統治組織とその警察部隊によって保全されることが望ましいとしている。また、その際に、今回の戦争における戦争犯罪は、ロシア側、チェチェン側を問わず法廷で裁かれるべきだと言明した。アフマドフ外相は99年以来アメリカに滞在し、独立派のスポークスマンの一人として米政府および国連に対する働きかけをおこなっている。

http://www.rferl.org/newsline/2003/03/200303.asp

■チェチェンのNGO、欧州評議会に訴え

3月10日にチェチェンプレス(チェチェン国営通信社)に掲載された、チェチェンの30団体のNGOによる、欧州評議会と欧州評議会議員総会への意見書によると、各団体は23日に行われる住民投票に反対の意向を表明している。チェチェン民族救済評議会のルスラン・バダーロフ議長は、この住民投票について、「ロシア側の主導による茶番だ」と話している。

意見書は今回の「チェチェンから発案された」新憲法案について、いくつかの条文を挙げた上でアンフェアなものと評価し、欧州評議会に対して、この憲法案についての綿密な評価を要望した。

http://www.rferl.org/newsline/2003/03/210303.asp

■ロシア軍ヘリコプター2機、行方不明に

3月20日、ロシア軍のMi-24ヘリコプター2機がチェチェン南部の上空で行方不明になった。それぞれ乗組員は2人。大雪のために21日になって捜索が再開されたと、ラジオ・リバティーが報じた。チェチェン戦争に投入されているロシア軍のヘリコプターはレーダーの装備が貧弱で、視界不良への対処能力が弱いことが軍事評論家に指摘されている。

http://www.rferl.org/newsline/2003/03/210303.asp

■チェチェンで誘拐された人権活動家、解放される

3月15日に、チェチェン南部のシャリで何者かに誘拐されて行方がわからなくなっていた、NGO組織「ロシア・チェチェン友好協会」のワーカー、イムラン・エズィエフ氏が、19日早朝になってベルカト−ユルト村近傍で無事に発見された。誘拐者はマスクをしていたため、いまだに何者かわかっていない。ラジオ・リバティーによる。

同氏は、モスクワ・ヘルシンキグループのチェチェン事務所の代表者でもある。ヘルシンキグループのリュドミラ・アレクシェーエヴァ代表は、今回の不可解な誘拐事件について、APの取材に対して、「誘拐者はロシア軍か、あるいはロシア側についているチェチェン人だと思う」と語った。ジェームズタウン財団のチェチェン・ウィークリーによる。

一方、チェチェンプレス(チェチェン国営通信社)は、同氏がチェチェンでも有名な人権活動家であり、シャリではヘルシンキグループの年次報告書発行に向けての人権情報を収集していたと報道した上で、誘拐者の手口がプロのものであると指摘。政治的目的達成のための誘拐をこれ以上起こさせないため、ロシア政府の各部局に問い合わせるなど、圧力を加えるよう読者に訴えた。

http://www.rferl.org/newsline/2003/03/200303.asp
http://www.jamestown.org/pubs/view/chw_004_009_001.htm
http://www.chechenpress.info/english/news/03_2003/18/4.htm

■バサーエフ司令官に対する調査を開始/ロシア検察副長官

3月19日、ロシア南部のロストフ・ナ・ドヌにおいて、ロシアのセルゲイ・フリディンスキ−検察副長官は、昨年12月27日にグロズヌイで70人以上の人命を奪った、政府庁舎爆破事件について、犯行を声明したシャミーリ・バサーエフ司令官に対する調査を開始したと発言した。ただし、11日に同副長官は、バサーエフと爆破を行ったと見られる3人の犯人には、直接の関係は見られないとも発言している。

http://www.rferl.org/newsline/2003/03/200303.asp