チェチェン総合情報


チェチェンニュース Vol.03 No.41 2003.11.06

発行部数:995部

■チェチェンのための一票 <第2回>

第1回:http://www9.ocn.ne.jp/~kafkas/chn/0340.htm
(2002.11.06 大富亮/チェチェンニュース)

いよいよ9日は、衆院総選挙。チェチェン情勢を少しでもよくするために、比例代表選ではどの政党に投票すればいいのでしょうか?今回は、社民党と民主党の見解を紹介し、つぎに無関心と低投票率の問題について考えます。

●有力候補は社民と民主

一般的には、チェチェン問題は今回の総選挙のテーマではないので、どの党に電話しても、最初は「ちぇちぇんって何ですか?」といった反応でしたが、勉強して応えてくれた政党がいくつもありました。各党とも行動は具体化していません。比較的よい党は、市民との連携を考慮している社民党と、実際に議会で質問した実績があり、今もチェチェン人の立場を汲んでいる民主党のいずれかといえそうです。

●民主党の場合:まずロシア軍の撤退が必要

「チェチェン紛争により、多くの尊い命が失われています。また、難民問題も深刻です。現在、チェチェン人の安心した生活を取り戻すことが急務です。その前提となる治安の回復のために、まずロシア軍が撤退を進めることが必要であると考えます。・・・日本政府は、チェチェン人の意思を尊重した問題の解決が一刻も早くはかられるよう、国際社会と強調しながら、ロシアに働きかけていくべきです」(2003.11.05)

全文: http://www9.ocn.ne.jp/~kafkas/activity/kenkaiminshu01.htm

とてもまともな見解で、政権が民主党に移れば、チェチェンの平和のための運動もはずみがつきそうです。昨年11月、いま民主党の小沢一郎氏がチェチェン問題について議会で取り上げ、それは抑圧されているチェチェン人の立場を汲んだものでした。

http://www9.ocn.ne.jp/~kafkas/activity/kenkaijiyu01.htm

●社民党の場合:ロシアは人権弾圧を直ちにやめるべき

「社民党は、ロシアはチェチェンから直ちに軍隊を撤退すべきだと考えています。現地がどのような状況になっているのか詳細は分かりませんが、それはロシアがチェチェンに関する報道管制を敷き、報道陣に対する報道規制や弾圧をおこなっているからです。チェチェンの住民に対する人権弾圧もおこなわれており、こうした行為をロシアは直ちにやめるべきです。チェチェンの人々がロシアから独立するのか否かは、チェチェンの人々の選択に委ねるべきであって、大国が介入すべき問題ではありません」 (2003.10.24)

全文: http://www9.ocn.ne.jp/~kafkas/activity/kenkaishamin01.htm

チェチェン情勢を正しく理解していると思います。そこで・・・

●社民に追加質問

Q.国会で、社民党はチェチェンの件を取り上げたことがありますか。

A.「残念ながらありません。質問するに足る資料や材料がないからです。仮に「チェチェンの状況はどうなっているか」という質問したにせよ、外務省がチェチェンの事態を掌握しているわけでは ありませんし(何らかの情報は入っていると思いますが)、チェチェン問題はロシアの国内問題(しかもテロ根絶の問題として扱われている)である以上、政府の答弁も判を押したようなものでしかないと思います」

Q.国会で、党の見解をもとに日本政府の関与を求める、具体的な予定はありますか。

A.「どのような「関与」を考えておられるのか分かりませんが、日本の政府がチェチェンに何らかの関与をすることなど考えられません。ご承知のように、日本政府はテロを根絶する一環として、ロシアのチェチェン介入に理解を示しているからです。

日本の政府が医療や生活支援を行うことを決定したとしても、ロシアの国内問題である以上、ロシアがこれを承諾するとは思えません。万が一ロシアが承諾したとしても、医療や生活物資がチェチェンの人々へ届くかどうか。チェチェンは立入禁止地域ですから確認する方法がありません。大富様のほうでは、チェチェンの人々と何らかのネットワークがおありでしょうか」

Q.国会以外で、声明などの形で国内外の世論に訴える予定はありますか。

A.「政党として何らかの声明や発表を行う場合、正確な情報が必要となります。伝聞形式の「何のようだ、何々らしい」というだけの声明では、なんの説得力もありませんし、当事者から否定されてしまえばそれだけで終わってしまいます。

ニ、三年前でしたか、NHKがチェチェンの問題をドキュメンタリーで取り上げたことがあります。ロシアによるチェチェンの報道に対する弾圧や、チェチェンについて報道する際の報道規制など、生々しい映像でした。しかしそれ以後、我々はチェチェンの情報接していません。昨年、チェチェン人によるモスクワ劇場占拠という衝撃的事件が起き、チェチェン問題が深刻な事態になっていることが改めて分かりました。しかし残念ながら、チェチェン自体の情報が分かりません。情報をお持ちであればお教え下さい」

●最大の問題は無関心と低投票率

「外交は票にならない」と、よくいいます。けれども、チェチェン問題について態度を明らかにすれば、まじめに評価するという人びとは増えはじめています。これは、他の紛争地の問題でも同じで、民主党は政権交代なった場合、憲法に違反するイラクへの自衛隊派遣をしないと明言しています。これだけでも評価する人は大勢いるでしょう。

ただし、2001年の参院選のように、投票率が60%を切るような低投票率が続けば、組織票をまとめやすい政党、特に自民、公明の有利は変わりません。案の定、この二党は、チェチェン問題についての立場も、ほとんど明らかにしません。つまり、チェチェン問題は、無党派層の票の掘り起こしに他ならないので、これらの党にとっては、できれば誰にも関心を持って欲しくない。投票率が低いほど都合がよいので。今の政治は、まるで考えない人を増やすためのシステムのような様相を呈しています。

●投票に行こう!

平和主義と事なかれ主義を混同して、「日本としてふさわしい国際社会での活躍の場はどうあればいいのか」などと、言い逃れをくりかえす日本外交も、国民の無関心ゆえに生き長らえています。無定見な言葉が国民の関心を遠ざけ、無関心がいい加減な政治と外交を助長するという、悪循環。これに終止符を打つためには、まず、どの党であれ投票し、選挙後は、チェチェンに関心をもつ政治家たちとの協力をさぐっていく必要があるのではないでしょうか。

最後に2002年の統一補選の低投票率についての、小沢発言を引きます。

「マスコミは「政党不信」という言い方をするが、そんな自分たちと国民を甘やかす表現ばかりしているから駄目なんだ。無関心なことが無責任な政治を生むんだ、今の政党が駄目なら自分たちで新しい政党をつくればいい。それが主権者の仕事、権利の行使だ。政治は自分らでつくるんだ、ひと事ではないんだ。甘ったれてはいけない、自分自身のことなのだから」

逆説的に面白い「無関心党」のホームページ: http://www.hirake.org/mukan/