チェチェン総合情報
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チェチェンニュース Vol.04 No.05 2004.03.01

発行部数:1056部

INDEX
プーチン大統領への要請書をロシア政府に送付しました
チェチェンで続くロシア軍による誘拐
チェチェン難民に強いられる帰還
「チェチェン人の引渡しは合法的」/グルジア公式筋
イリーナ・ハカマダ、大統領選挙のボイコットを求める
ザカーエフ、デンマークに戻る
ヤンダルビエフ暗殺容疑者、カタールで逮捕される
「モスクワ地下鉄事件の犯人死亡」/ロシア報道
編集室より、チェチェン単行本の上梓について

■プーチン大統領への要請書をロシア政府に送付しました

 モスクワ地下鉄事件についての、プーチン大統領への要請書が、75名の市民の署名とともにロシア大使館に送達されました。取りまとめた西塔文子さんのコメント、要請書全文、署名一覧、寄せられたメッセージは次のURLからお読みください。みなさまのご協力、ありがとうございました。

プーチン大統領への要請書送付にご協力くださいました皆様へ:
http://chechennews.org/activity/ap20040218.htm

読みがいのあるメッセージがたくさん届いています:
http://chechennews.org/activity/ap20040218.htm#message

■チェチェンで続くロシア軍による誘拐

 ウルスマルタン地区ゲヒチェの少女、マディナが数日前にロシア軍に不当拘束された。また、24日に同地区のゴイチ村に対して実施された掃討作戦において、村民二人がロシア軍に対する抵抗に参加したとして逮捕された。また、23日夜、グロズヌイ地区のアルハンカラ村で24歳の村民一人がロシア軍に誘拐された。目撃者によれば、軍の兵士たちは所属番号等を隠した数台のUAZ型トラックで村に入り、この若者を逮捕理由も告げずに連れ去った。現在、家族が必死に行方を探している。ロシアのプリマ人権ニュースが27日に報じた。

PRIMA: New Kidnappings in Chechnya
http://prima-news.ru/eng/news/news/2004/2/27/27652.html

■チェチェン難民に強いられる帰還  

 チェチェン難民の家族が路頭に迷っている。チェチェンの隣国、イングーシ共和国の「サツィータ」難民キャンプに収容されていたアスラハノフ、ムルタゾフ、バサーエフ、バターエフ、ドゥカーエフの5家族は、親ロシア政府がチェチェンのグロズヌイ、イッポドロマナヤ街に設置した一時収容施設(PVR)への入所の約束を得てチェチェンに戻った。しかし、PVRに到着したものの居場所は準備されておらず、すぐにサツィータに電話をし、当局の約束を信じてチェチェンに戻ったりしないように仲間に警告し、路上で一夜を明かした。チェチェンは難民の帰還を受け入れるキャパシティがほとんどないにもかかわらず、つねに帰国が強要される状態が続いている。プリマ人権ニュースの報告による。

PRIMA: Returning Refugees Abandoned to the Mercy of Fate
http://prima-news.ru/eng/news/news/2004/2/27/27653.html

■「チェチェン人の引き渡しは合法的」/グルジア公式筋  

 2月24日、グルジア検察庁の国際法専門家、パータ・ムシカラッゼは、2002年の10月にロシア側に引き渡された5人のチェチェン人不法入国者の取り扱いは国際法の規定に沿ったものだったと言明した。引渡しに先立ち、欧州人権法廷は調査チームを派遣しており、チェチェン人たちも同法廷への引渡しを希望していた。5人中4人は現在、ロシア南部のスタブロポリ州で非公開裁判にかけられている。

RFE/RL: GEORGIAN OFFICIAL UPHOLDS EXTRADITION OF CHECHENS
http://www.rferl.org/newsline/2004/02/250204.asp

■イリーナ・ハカマダ、大統領選挙のボイコットを求める  

 来月14日のロシア大統領選挙に立候補していたイリーナ・ハカマダ候補だが、24日に他のすべての候補者に対して、立候補を取り下げることで政権への抗議を表明するよう呼びかけた。これは、プーチン陣営が政府系テレビ局を選挙法に違反する形で利用して、選挙を有利に展開しようとしていることに対する抗議だという。これについてモスクワ地下鉄爆破事件の渦中に行方不明となった対チェチェン交渉派のイワン・ルイプキン氏は、「自分は降板するつもりはないが、ハカマダの<選択的撤退>のアピールには同感するものがある」と、モスクワのラジオ局の取材に対して語った。

RFE/RL: AS KHAKAMADA CALLS ON CANDIDATES TO WITHDRAW FROM PRESIDENTIAL RACE
http://www.rferl.org/newsline/2004/02/250204.asp

■ザカーエフ、デンマークに戻る

 チェチェン独立派の副首相、アフメド・ザカーエフが2月25日に訪問先のドイツからデンマークに戻り、デンマーク議会外交委員会の議員らと会合するとともに、チェチェン戦争の平和的解決を求めるステートメントを発表した。同副首相は2002年にロシア側の要求を受けたデンマーク司法当局に拘束されたが、今回デンマークに招待した社会党のホルガー・ニールセン党首は、議員連がザカーエフと会合を持つことで、「更なるロシア側からの侮辱」を受けないよう配慮したと語った。

MT: Zakayev Back In Denmark
http://www.themoscowtimes.com/stories/2004/02/26/018.html

■ヤンダルビエフ暗殺容疑者、カタールで逮捕される

 現代のチェチェン独立運動の創始者の一人であり、96年に初代のドゥダーエフ大統領が爆殺された後、臨時大統領となったゼリムハン・ヤンダルビエフ。この人物が、2月17日に亡命先のカタールで自動車に仕掛けられた爆弾によって暗殺された。26日の共同通信によれば、カタールの警察当局が逮捕した容疑者3名はロシアの情報機関員だった。ロシア外務省は関与を否定し、容疑者の引渡しをカタール側に要求している。
 再び独立派有力者に対する暗殺が繰り返されたことになり、現在の独立派の大統領マスハドフに対しても暗殺工作が仕掛けられている可能性が憂慮される。なお、2月28日にカタールの放送局、アル・ジャジーラが報じたところでは、ロシア政府はカタール国籍のロシア在住者2名を拘束した。カタール政府への報復措置と見られる。

共同: カタールがロ工作員逮捕 チェチェン独立派暗殺で
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040226-00000239-kyodo-int

AJ: Russia arrests two Qataris
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/FD7EC32F-D877-4317-81DA-E07B60AECC9B.htm

■「モスクワ地下鉄事件の犯人死亡」/ロシア報道

 2月6日のモスクワの地下鉄爆破事件の「犯人」が、チェチェンの隣国イングーシで死亡したと、ロシアのRTRテレビが報じた。この人物、25歳のハムザート・タザバエフは、連邦保安局(FSB)部隊による掃討作戦中に逮捕に抵抗して死亡した。FSBのイグナチェンコ報道官によれば、タザバエフはチェチェン大統領マスハドフ、野戦司令官バサーエフに近く、「昨年北オセチアのモズドクでのロシア軍施設を狙った爆破事件、モスクワ近郊のツシノ飛行場でのロックフェスティバルでの爆破事件、および最近の地下鉄爆破事件のすべてに関与していた」という。「死人に口なし」で「十把ひとからげ」とでも言おうか、典型的にロシア的な報道。(大富亮)

RTR TV, Via BBC Monitoring:
Russian security forces suspect dead Chechen rebel`s role in Moscow
metro blast

■編集室より、チェチェン単行本の上梓について

 来月下旬、チェチェン問題についての書籍、「チェチェンで何が起こっているのか」を上梓します。林克明/大富亮共著、高文研刊、予価1,800円。書店での販売に向けたスケジュールは決まり次第お知らせします。今年は、ほかにも何冊かのチェチェン関連本が公刊されますので、この問題への関心はさらに高まると思います。ぜひ、運動を盛り上げていきましょう。(大富亮)