チェチェン総合情報
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チェチェンニュース Vol.05 No.06 2005.02.28

発行部数:1715部

■いきなりまとめ

 チェチェン関連の動き。まず、先月来のチェチェン側からの一方的停戦期間が22日に終了しました。 結局、ロシア政府側は何の行動にも出ませんでしたが、ロシアの市民社会からは、和平への行動が出始めています。 ロンドンでは、ザカーエフ・チェチェン独立派文化相とロシアのNGO、「兵士の母親委員会」の協議が持たれました。

 米露首脳会談が2月24日にスロバキアのブラチスラバで開かれましたが、チェチェン問題についての進展はないようです。 うかつにチェチェン問題を出すと、イラクのアルグレイブでの拷問問題で切り返されそうだからでしょうか。


 ロシア連邦も加盟する欧州人権裁判所で、チェチェン戦争によるチェチェンの民間人の被害が、 ロシア軍の攻撃によるものだとして、賠償を命じる判決が下りました。これは5年前の第二次チェチェン戦争開戦当時の 民間人殺害に関する数件の訴訟でしたが、今後同様の訴えが人権裁判所に殺到すると思われます。 今回の判決にロシア側が控訴するかどうかはまだわかりません。(写真:欧州人権裁判所で救済判決の下った犠牲者の一人、アドラン氏。田川実/「しんぶん赤旗」記者撮影)

 昨年2月にカタールで、チェチェン独立派の政治家ゼレムハ・ヤンダルビエフが、ロシア人工作員に暗殺されました。 このロシア人工作員2名はカタールで有罪を宣告されましたが、カタールとロシアの取引の結果、 有罪のまま刑期をロシアの刑務所で送るために、ロシア大統領専用機で帰国しましたが、 ロシア刑務所庁の長官が「いまどこにいるかわかりません」とコメントし、行方はようとして知れません。 ヤンダルビエフは、ドゥダーエフと並び、チェチェンの大統領(独立派)経験者で二人目の暗殺犠牲者となりました。 2003年に暗殺された親ロシア派のカディロフも合わせると三人目です。(CN編集)

index:

【ロシア社会】
・モスクワで2月26日に「チェチェンでの戦争を止めよう」集会
・ラジオ「モスクワのこだま」アンケート
【和平】
・ザカーエフ・ロシア兵士母の会共同記者会見
・独立派・マスハドフ大統領へのロシア紙インタビュー(2月7日)
・チェチェン側、ロシアに交渉による解決を今一度呼びかけ
・プーチン大統領、対チェチェン強硬路線を堅持
【戦争犯罪】
・欧州人権法廷、ロシア軍による民間人殺害の事実を認定、賠償迫る
・独立派大統領の誘拐を、傀儡大統領が批判
・「ヤンダルビエフ暗殺犯は所在不明」ロシア司法担当者
・ブダーノフ大佐復権の最終段階
【独立派】
・バサーエフの近況
【戦闘状況】
・チェチェン国内で戦闘再開
【バックヤードにて】
・東京でのチェチェン集会についてのまとめ
・動機を解き放つ

【ロシア社会】
■モスクワで2月26日に「チェチェンでの戦争を止めよう」集会

 2月24日付ロシアのインターネットサイトpolit.ruは、2月26日土曜日午後2時より、 モスクワ、ルビャンカ広場の国家保安局(FSB)本部ビルに隣接する「ソロベツキー島の石」スターリン迫害犠牲者追悼碑前で、 スターリンによるチェチェン・イングーシ両民族の強制移住による犠牲者を追悼し、 北コーカサスにおける戦争継続に反対する集会が行われると報じている。

 集会は人権擁護センター「メモリアル」、市民運動連合「人権のために」、 「反戦行動委員会」、「ロシア兵士の母委員会連合」、組織委員会「市民協力」、 アンドレイ・サハロフ記念博物館・社会センター」、「反戦クラブ」などの共催で行われる。 集会には、アンナ・ポリトコフスカヤ、ウラジミル・カラ=ムルザ、スベトラナ・ガヌシキナなど著名な社会活動家、 人権活動家の参加が予定されている。[ChechenWatch]

 露文:http://www.polit.ru/news/2005/02/24/26fevr.html

■ラジオ「モスクワのこだま」アンケート
ロシア視聴者の70%がロシア政府の対チェチェン独立派との交渉拒否方針に反対

 ロシア当局のマスハードフとの交渉・和解拒絶は正しいか?という、 ラジオ局「モスクワのこだま」の電話アンケートに、ロシアの視聴者約5千人の70%が、 交渉拒絶は間違いとし政府の拒否方針を支持したのは30%に過ぎなかった。 同じ設問のインターネットアンケートでは、 間違い57%、正しい39%、回答困難が4%。 アンケート上は、ロシア世論の戦争反対の世論が見られる。[ChechenWatch]

 露文:http://echo.msk.ru/index.html

【和平】
■ザカーエフ・ロシア兵士母の会共同記者会見

 2月25日づけ「カフカス・センター」は、 インターファックス通信報道を引用して「チェチェンにおける平和への道」 という共同文書がアフメド・ザカーエフとロシア兵士母の会代表団の会見の結果、 採択されたと伝えた。兵士母の会ワレンチナ・メーリニコワ代表が語る所では、 ロシアの歴史上初めて、社会団体が、対戦する相手との交渉を行っただけでなく、 第一段階の合意にも達することとなった。 「自分たちの見解を守り、なおかつ相手の立場も理解すると言うことは、 決して容易なことではなかった。」とメーリニコワ女史は語った。

ロンドン駐在「ラジオ・リバティー」記者、ナタリヤ・ゴリツィンは、 「たった今、ロシア兵士母の会代表団とザカーエフを頭とするチェチェン抵抗運動代表団の会談が終了した。 今日だけで彼らは2回の会談を行った。今日の公式交渉準備のための昨日の会談は7時間以上も続いた。 ロンドンでの交渉は欧州議会の支援で行われた。交渉は双方4名ずつの公式代表の外、 欧州議会議員3名がオブザーバーとして加わった。 欧州評議会チェチェン問題担当元報告者ジャッド卿および、 現報告者アンドレアス・グロッス氏らも招かれた。 「ラジオ・リバティー」記者によれば記者会見は、 英国議会にほど近いロンドン中心部の欧州議会ロンドン事務所構内で行われ、 在英のマスコミの大きな関心を集めた。そして、 記者はロンドンのロシア大使館関係者の姿も認められたとしている。[ChechenWatch]

 露文:http://www.kavkazcenter.com/russ/article.php?id=30813

■独立派・マスハドフ大統領へのロシア紙インタビュー(2月7日)

Q(コメルサント):停戦命令の目的は何ですか?

アスラン・マスハドフ:
 まず善意の表明だ。次に平和のための責務を果たし、それをロシア指導部に 見せることだ。私に言わせれば、コーカサスは災厄に向かっている。この状況 での私の義務は、わが国民だけでなく、すべてのロシアとコーカサスの人々に 対する、現実の脅威を防ぐためにあらゆる努力をすることだ。思うに、ウラ ジーミル・プーチン大統領は、ロシアとコーカサス全体が引きずり込まれよう としている災厄の深甚さについての、正しい情報を手にしていない。ロシアと イチケリア(チェチェン)の大統領は、政治的意思を行使して、この流血に終 止符を打たなければならないと信じている。だから、私の呼びかけは、本質的 にロシア大統領に向けられたものだ。そしてもちろん、破局を望まないすべて の人々に向けたものだ・・・

 和文: http://groups.msn.com/ChechenWatch/general.msnw?action=get_message&mview=1&ID_Message=1594

 英文:http://chechennews.org/news/20050207Kommersant.htm

■チェチェン側、ロシアに交渉による解決を今一度呼びかけ

 チェチェン独立派政府公式サイト、チェチェンプレスは2月20日、 今回のチェチェン側の一方的停戦についての長文の情勢分析 「アスラン・マスハードフ:交渉の席で戦争を終わらそう」を公表し、 チェチェン独立派政府・軍およびその統制に服していないバサーエフ派の見解、 様々な世界のマスコミ報道、ロシア当局から傀儡政権に至るまでの反響を整理し、 残された時間に、ロシア側が理性に立ち返ることを呼びかけた。[ChechenWatch]

 和文: http://groups.msn.com/ChechenWatch/general.msnw?action=get_message&mview=0&ID_Message=1590  露文:http://www.chechenpress.co.uk/news/2005/02/21/04.shtml

■プーチン大統領、対チェチェン強硬路線を堅持

 21日のロイターによると、ロシアのプーチン大統領は21日、 ロシアは北コーカサス地方のイスラム革新派との戦いにおいて、 より強硬な姿勢をとる必要があると述べ、チェチェン独立派からの和平交渉の呼びかけを無視した。

  http://www.reuters.co.jp/newsArticle.jhtml?type=worldNews&storyID=7693080

【戦争犯罪】
■欧州人権法廷、ロシア軍による民間人殺害の事実を認定、賠償迫る

 2月24日のAPによると、、欧州人権法廷は、チェチェン戦 争で、ロシア軍が市民数人を殺害し、うち二人についての政府の調査が 「きわめていい加減で、時期を逸したものだった」との判決を下した。

(この裁判についてはチェチェンニュース Vol.04 No.40 2004.12.01: http://chechennews.org/chn/0440.htm#echr

人権法廷の7人の判事は、ロシア政府が1950年のヨーロッパ人権条約に違 反してチェチェン人を殺害したとして、訴えを起こしていたチェチェン人の親 族6人に、最高3,3000ドル(約350万円)の支払いを命じた。ロシア 政府は欧州評議会の一員として、この判決を支持しなければならない。

欧州人権法廷へのロシア側代表であるパーヴェル・レプトフ氏は、控訴の可能 性について、「慎重に判決を検討した上で決定したい」との考えを示した。

法廷側は、原告の親族のマゴメッド・ハシーエフさんと、ローザ・アカーエ ヴァさんが、2000年に抵抗勢力狩りを目的とした作戦の際にロシア軍によ る拷問を受けた上、殺害されたと認定した。判決文のなかで、この事件に対す るロシア側の調査は、「きわめていい加減で、時期を逸したものだった」と批 判した。

また、メドカ・イサーエヴァさん、ジーナ・ユスポーヴァさん、リブカン・バ ザーエヴァさんが、それぞれ殺害された上、財産がロシア軍の空襲によって破 壊されたと認定した。

この空襲は、1999年10月、数千人のチェチェンの市民たちが、ロシア軍 の保証した「安全回廊」を通って隣接するイングーシ共和国に避難しようとし ていた時のもの。イングーシとの国境に到達した市民たちの前にゲートは閉ざ され、引き返させられた時、軍用機の攻撃を受けたのだった。これにより数十 人が死亡または重軽傷を負った。

ロシア政府はこの事件について、「抵抗勢力のトラックを目標にした」と発表 していた。この時使われたミサイルには250メートル四方に破片を撒くもの もあった。判決は、「事件当時その道路付近にいた人は、何者であれ死の危険 にさらされた」とした。

また、息子と3人の姪を、2000年のロシア軍のカタリ−ユルトへの爆撃の 際に殺害されたザーラ・イサーエヴァさんの申し立ても認められた。一連の事 件に対する賠償額は、1万6千ドルから3万3千ドルの間となる。

Court Finds Russians Tortured Chechens
http://news.findlaw.com/ap_stories/i/1103/2-24-2005/20050224164505_15.html

■独立派大統領の誘拐を、傀儡大統領が批判

 2月18日、チェチェンの親ロシア政権のアル・アルハノフ大統領は、独立 派のマスハドフ大統領の一族8人が12月以来誘拐されている件について、す でに司法による調査が開始されていると発言した。アルハノフは、「個人的に はどんな状況においても、このような誘拐は許されないと感じる」としてい る。またアルハノフは同時に、マスハドフ及び過激派野戦司令官のバサーエフ はチェチェンでの他の誘拐事件に関与しているとし、抵抗勢力の戦士たちに対 しては、「通常の、平和的な生活に戻るべきだ」と呼びかけた。アルハノフは また、チェチェン紛争は「ソ連を崩壊させた勢力」によって挑発されたものだ という見方を示すとともに、チェチェン抵抗勢力を助けているアラブからの傭 兵たちを非難した。そして、連邦の保安機関はチェチェンの領土に対して効果 的な統治を敷いているとの見解を示した。

ラジオ・リバティ Friday, 18 February 2005
http://www.rferl.org/newsline/2005/02/1-RUS/rus-180205.asp

■「ヤンダルビエフ暗殺犯は所在不明」ロシア司法担当者

2月16日に連邦刑務所庁のユーリー・カリーニン長官が明らかにしたところ によると、2004年2月にカタールでチェチェン独立派の元大統領ヤンダル ビエフを暗殺し、昨年12月にロシアに帰国した二人の特務機関の士官の所在 は不明である。この二人は、カタールの法廷で下された有罪判決をロシア側 が引継ぎ、終身刑をロシアの刑務所で受けさせるという条件で、12月23日 にカタールからロシア政府専用機で移送されていた。「4人のロシア市民がカ タールから運ばれてきたわけだが、彼らはこちらのどの施設にもいない。彼ら はどこかで療養中なのではないか。たぶん法律的な手続きはほぼ終わっている はずだが、まあ、これまでカタールの司法から引き継いだ刑期をロシアの刑務 所で過ごした受刑者の前例がないもので」と長官は語った。

 http://www.rferl.org/newsline/2005/02/1-RUS/rus-170205.asp

■ブダーノフ大佐復権の最終段階

 2月3日の、インターファックス通信は、ロシア議会法務委員会代表が、 近く予定される対独戦勝60周年記念恩赦による軍人の免責・復権ついての発言を紹介した。 これに関し、チェチェンサイト「カフカス・センター」は、 恩赦によってロシア国防省の特権的な施設に移されている、ユーリー・ブダーノフ大佐も、 大手を振って出てくることになるとコメントしている。 (ブダーノフ大佐は、戦車部隊の連隊長であったが、第2次チェチェン戦争初期に チェチェン少女を強姦の末殺害した犯人として珍しく訴追され、ロシアの軍事法廷で有罪を宣告されていた)[ChechenWatch]

  http://groups.msn.com/ChechenWatch/general.msnw?action=get_message&mview=0&ID_Message=1577

 ブダーノフ事件の過去の経過はチェチェンニュースVol.02 No.13 2002.06.23:

 http://chechennews.org/chn/0213.htm

【バサーエフ】
■バサーエフの近況

 2月23日の「カフカス・センター」は、野戦司令官シャミル・バサーエフが、 2月14日、コーカサスに隣接する南ロシアのクラスノダル地方のリゾート地において1ヶ月以上の治療を行う一方で、 ロシア人イスラム戦士の妹であるクバン・コサックの女性と結婚した伝えた。

 バサーエフの3人目の妻との結婚式には、アディゲイ、チェルケシア両共和国、 クラスノダル、スタブロポリ両地方、ロストフ州の野戦司令官たちが出席し、 ここで彼らはコーカサス情勢の分析とジハード(イスラム聖戦)拡大の方法について討論した。 この報道では、バサーエフは、以前にもアディゲイ、クラスノダルのイスラム戦士たちと接触を重ねており、 組織問題について検討を行ったとしている。 バサーエフの語る所では、「非常に有益な結果が得られた。 アッラーのおぼしめしにより、今年はジハードは全コーカサスに拡大する」[ChechenWatch]

 和文: http://groups.msn.com/ChechenWatch/general.msnw?action=get_message&mview=0&ID_Message=1595

 露文: http://www.kavkazcenter.com/russ/article.php?id=30707

【戦闘状況】
■チェチェン国内で戦闘再開

 2月26日、「カフカス・センター」は、チェチェン軍東部戦線代表との連絡によると、 東南部山岳地帯のノジャイ・ユルト地区で戦闘があり、 傀儡側カディロフ部隊の無頼漢12名を戦死させ10-15名以上を負傷させたと伝えている。 チェチェン軍司令部によると、戦闘はカディロフ派がチェチェン側機動遊撃隊の通路に、 待ち伏せ攻撃の部隊を展開させたことにより発生した。 カディロフ部隊に12名の死者、チェチェン側では、 2名が死亡。[ChechenWatch]

 露文:http://www.kavkazcenter.com/russ/article.php?id=30817

【バックヤードにて】
■東京でのチェチェン集会についてのまとめ

 2月12日の、<チェチェンで何が起こっているのか>参加者からのメールによると・・・

 「大変有意義な報告会であったということを、まず認めつつ、僭越ですが、気づいた点を書かせてもらいます。 チェチェンのみならず、ロシア全体の中での視点もほしいと思います。あるいは日本との関連に関して。 これは最後に青山さんがまとめるときにチラリと言ってくれたので、 その部分で納得した参加者もいたと思いますが、もう少しだけ、長く、わかりやすくてもいいですね」  今回の集会には反省点も多い。よい評価をしてくれる人は多数いたが、 批判を中心に取り上げると、問題点が見えてきそうだ。

 つづき: http://chechennews.org/notice/20050212matome.htm

 前回の報告: http://chechennews.org/chn/0505.htm

■動機を解き放つ

 どうしてチェチェンに関わりを持ったのだろう。

 チェチェンに関わった人は、自分に問うだけでなく、家族や友人たちにも、そのことを聞かれるはずだ。 筆者の場合は、あまりにひんぱんなので、説明文を書いたことさえある。 独立しようとしていた小国チェチェンに、ロシアが二度目の攻撃を仕掛けた1999年の秋に、 自分の進む道を見つけられずにいる若者として、チェチェン戦争を巡る情報の渦に立ち会った自分の経験を描いた。

 それも一つの説明だ。けれど今は、その説明を人に語ることが、うまくできない。 初発の動機としてそうだったという、過去を語る材料としては、何とか使えるという程度だ。 では今は、どうしてチェチェンに関わっているのか? 今より若い時の筆者には、 強力な理由が必要だったのだが。

 これが、いったん滑り始めた橇(そり)のようなものなら、 理由を考えようとしなくても、動いていること自体が次の動きに積み重なって、 いっそう早く降下する力が、次の瞬間の大きな移動を生む。 けれど速度が早まるほど、視界は前方の雪の中に見えている(はずの)一点に狭まっていき、 集中力が途切れたときに、近い場所のクレバスを見落とすだろう。

 本当は皆、自問自答をしているのではないだろうか。集会に向かう電車の中や、 書店でチェチェンについての本をまた一冊買うかどうかに迷うときに。人は迷うものだから、動機は最初のひとつだけでなく、 二番目、三番目の動機へと、移り変わっていく。

 現にチェチェン人であるだけで殺された人々や、 殺されようとしている人々を別にして、私たちはきっと、チェチェンを、選んでいる。 ほとんどの人にとっては、人道救援や、政治的な活動を通してチェチェンに関わることを指示した神も、仏もいないはずだ。 最初の瞬間には、義務も使命もなかった。

 当然あるべき選択肢を失って、過大な義務のもとに働きつづける時、人はよく責任を忘れることがある。 つまり、自分の言葉や行為のもたらす結果を気にかけなくなってしまう。

 そうならないためには、また最初の疑問に戻ることになるだろう。「どうしてチェチェンなのか」と。

 私たちは他に選択肢がなかったように感じながら、実は選び、選びつづけているのではないだろうか。 その選択のよりどころになっているものは、その人固有の人生のなかの文脈にあるのだが、 全体として人びとは同じ時代状況を共有しつつ、別の場所に立ちもする。

 「動機」はいつも語りにくいことだが、 あえてそれを問い、語るとき、分断されてお互いに交わることのなかった社会の人々が、 チェチェンという一点で、たがいによい影響を与えるのではないかと、このところ思う。(と)


 参考に「チェチェンで何が起こっているのか」担当編集者より:
http://www.koubunken.co.jp/0325/0320.html#edi


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