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チェチェンニュース Vol.07 No.06 2007.02.27

今回のニュースは、次のURLから写真入りで見ることができます。

http://chechennews.org/chn/0706.htm (HTML版) 発行部数:1666部

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会場のようす

2月24日(土)夜、東京・春日で、国際チェチェンデー集会 「相次ぐ暗殺事件とチェチェンの今」を開催しました。比較的小さな会場だったのですが、40人ほどの方が参加され、昨年11月に暗殺されたFSBの元大佐、リトビネンコへの生前のインタビュー映像や、ジャーナリストの方々のパネルディスカッション、活発な質疑応答がありました。簡単ですが報告します。

INDEX

■報告:国際チェチェンデー集会: 「相次ぐ暗殺事件とチェチェンの今」

●強制移住

チェチェンの老人の証言ビデオ

毎年2月23日になると思い返されることは、1944年のこの日に起こった、チェチェン・イングーシ人に対する強制移住だ。第二次大戦も終わりに近づくこの頃、スターリンはチェチェン人たちを遠く離れたカザフスタンに強制移住することを命令し、一夜のうちにそれは実行された。

チェチェンとロシアの対立の歴史は根深い。この事件によって、当時50万人いたチェチェン・イングーシ人の半数近くが命を落とした。帝政時代からずっと続くチェチェンとの対立のなかでも、もっとも悲惨な事件と言えるだろう。

集会では、冒頭に短いビデオ映像が上映された。走る粗末な貨車の中で、チェチェンの古老サイディーが語り始める。

「我が家には兵隊が二人でやって来た。朝の5時ごろだった。一人は自動小銃を構え、もう一人は拳銃で武装していた。彼らは『大急ぎで支度しろ。おまえらは移送されるんだ』と言った。母さんは呆然として、何も支度をできなかった。膝までの雪が残っているのに、短いズボンと半そでシャツのまま・・・。広場中、あちらからも、こちらからも人々が追い立てられていた」

●リトビネンコの証言

リトビネンコの証言ビデオ

「ロシアの政府は、特務機関(情報機関)が1950年代末期からは暗殺に従事していないと言うが、これはまったくの嘘なのだ−−−」

ロンドンの住宅街の静かな一角で、アレクサンドル・リトビネンコ元中佐が語ることは驚きに満ちている。91年のソ連崩壊からほどなくして、社会の混乱の中で息を吹き返したKGB(旧ソ連国家保安委員会)は、暗殺作戦を繰り返すことによって、ロシアの社会を操縦しはじめているというのだ。

野党下院議員のユシェンコフ、政治家・民族学者のスタロボイトーヴァ、「ノーヴァヤ・ガゼータ」の記者シチェコーチヒン。これらはすべて、KGBを引き継いだFSB(ロシア連邦保安局)によって暗殺されたのだと、自分自身も放射性物質を投与されて暗殺されたリトビネンコが証言した。ビデオ映像の詳しい内容は、当日の配布資料に。

●パネルディスカッション

パネルディスカッション

ビデオに続いて、ジャーナリストの林克明さんと、常岡浩介さん、映像作家の岡田一男さんによるパネルディスカッションが開かれた。

「今のビデオを見て、内容がすぐにわかる人は少ないと思います。検証しなければならない部分も残っていますが、話半分としてもすごい内容です。日本で言うなら、民主党の小沢、社民党の福島、共産党の志位、国民新党の亀井といった人々が、すべて殺されたような状況だと思います。そしてこのところ相次ぐ暗殺を整理すると、まず2006年10月に、アンナ・ポリトコフスカヤが自宅のアパートのエレベーターで射殺されました。そして11月、今度はロンドンでリトビネンコが放射性物質で暗殺されていて、ようするに政府と敵対する人々が殺されている状況です。

リトビネンコは、1999年からの第二次チェチェン戦争のきっかけとなった、モスクワアパート連続爆破事件が、実はFSBのでっちあげだということを本に書いてもいますし、殺される人のほとんどは、チェチェンに関わっている人々です」(林)

「リトビネンコに会ってインタビューしてから1年くらいになりますが、人柄は陽気で、話を聞いていて本気なのか冗談なのかわからないと思ったこともあります。たとえばアルカイダのナンバー2といわれるザワヒリは、FSBがダゲスタンで養成したテロリストなんだという話をしていたのを覚えていますが、あとあとよく彼の発言を調べてみると、アメリカやイスラエル批判はしていても、ロシア批判はしていないことに気が付きました。聞いたときより、逆に帰ってきてから彼の言うことが信頼できるのかなと思いました。」(常岡)

「私はチェチェンの自由とロシアの民主主義は一体だと思っています。(このところの暗殺によって)、プーチン政権はそれを破壊しようとしているのだと思います。けれど、私はプーチン政権が固い基盤を持っているとは思っていません。本当に強い政権ならば、こんな暗殺はする必要がないからです。人望や文化で、ロシアを統治することができると思います」(岡田)

●質疑応答

質疑応答

Q.チェチェンで戦う人々の組織はどんなものですか?

「イスラム急進的な人々と、西欧型の社会を望む人々と、伝統主義的な立場から問題を解決しようとする人々がいて、ばらばらな状態だと思います。私自身は伝統主義的な立場を支持しています」(岡田)

「いろいろなグループがあって、91年に独立宣言をしたドゥダーエフを支持してきた勢力が根幹にあると思います。独立派の主流派です」(林)

「独立派の大統領になっているドク・ウマーロフについて言えば、マスハードフよりは権威が低いですよね。チェチェン国内の戦闘は数が少なくなっていますが、チェチェンの周辺では散発的な戦闘が活発になっていて、その地元の人たちが戦っているわけで、前とは変質している感じがします」(常岡)

「彼らも含めて<チェチェン軍>を名乗っているんですよ。チェチェン軍の北ロシア戦線とか、沿ボルガ戦線とか。実際にどれだけのことが行なわれたかはわかりませんが、小さな集団としてこういうものが動いていると考えられます」(岡田) 書籍の販売コーナー

Q.プーチン後のロシアについての見通しを教えてください

「今のロシアの法律では、大統領の3選は認められていません。自動的に2008年にはプーチンは退場なのですが、彼の周辺では、引退後も影響力を持つような人事が進んでいたり、『3期目もやってもらったほうがいいんじゃないか』といったことをテレビで言うような人が出ていたりします。このあたりはどうなるかわかりません」(岡田)

「ロシアの指導者が、前の指導者の路線を継承したということは一度もなかったのではないかと思います。常に極端から極端へとロシアは行ったり来たりしていたので、完全な継承があれば、歴史上初めてのことなのではないかと思います。もうひとつは、プーチンの権力の基盤は石油の値段が高いから支えられていたわけで、今は価格もさがりつつあるようです」(常岡)

Q.暗殺について。次にあぶないのは誰だと思いますか?

「ロンドンに滞在しているチェチェン独立派の副首相、アフメド・ザカーエフや、ロシア人でチェチェンを追っている記者のアンドレイ・バビーツキ、政商のベレゾフスキーが危ないと思います。去年暗殺されたポリトコフスカヤは、主にチェチェンの市井の人々の中に入っていって取材をしていたわけですが、バビーツキの場合は、チェチェンの武装勢力とも関係を築いている人なので、一番あぶないと思います」(林)

他にもさまざまな問題が語られ、質疑応答も活発な集会となった。(敬称略、文責編集部)

●集会資料など

当日の集会資料とアンケートを公開しています。よろしければダウンロードしてご利用ください。

集会資料:http://chechennews.org/dl/20070224distri.pdf (578KB)

アンケート:http://chechennews.org/dl/20070224ancate.pdf (89KB)

■「DAYS JAPAN 3周年記念イベント」に行こう!

DAYS JAPAN 2007年3月号

権力の監視と現場主義を謳うフォトジャーナリズム誌、「DAYS JAPAN」の創刊3周年を記念するイベントが、3月5日夜、東京・中野で開催されます。DAYS JAPANは、知るべき真実を私たちに伝えてくれる数少ない雑誌のひとつです。チェチェンの写真も使われるそうなので、要チェック!来場者にはもれなくキーホルダーがもらえます。定員にはまだ余裕があるようですので、ぜひこの機会にお誘い合わせの上ご参加ください。

【転送歓迎】

DAYS JAPAN 3周年記念イベント

■日時:3月5日(月)19時開演(18時30分開場)
■場所:なかのZERO 小ホール
(中野区中野2-9-7 JR中野駅 南口左へ徒歩8分)
■参加費:700円(メンバーズバッジ持参者は500円)
■定員:500名
■ご予約方法:住所、氏名、電話番号を明記の上、DAYS JAPAN企画室へメール(kikaku@daysjapan.net)かFAX(03-3322-0353)でお申込ください。定員になり次第締め切らせていただきます。

皆さまの応援のおかげでDAYS JAPANは3周年を迎えることができます。それを記念しまして下記のとおりイベントを開催いたします。ぜひ、お越しいただきたくご案内させていただきます。イベントでは、第3回目のDAYS国際フォトジャーナリズム大賞受賞作品が発表されます。

世界中から集まった約6000点の応募作品の中から、14作品の受賞作品が決定いたしました。どの作品もフォトジャーナリズムの力、人間の尊厳を感じさせる力強い作品です。また、イベント参加者が審査員となる読者賞の選考もあります。

DAYS JAPANが3周年を迎えるのは奇跡的ともいわれる中、その奇跡を現実として続行するために皆さまの今後の応援をよろしくお願いします。

定員が決まっておりますので、お早目の予約を下記のところまでお願いします。会場にてお待ちしております。

なお、参加者にはDAYS JAPAN3周年記念特製キーホルダーをプレゼントいたします。さらに抽選で5名のかたに、広河隆一オリジナル写真が当たります。

広河隆一

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■第1部
第3回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞受賞作品発表
今年度は世界中から昨年を上回る6000点を越す作品の応募がありました。マグナムやAP、 AFP、ロイター、セブン、『タイム』誌などで活躍するフォトジャーナリストのほか、多数のフリーランスの参加も見られました。
審査員による講評:大石芳野(フォトジャーナリスト)、江成常夫(写真家)、熊切圭介(写真家)

■第2部
第3回DAYS大賞読者賞審査
会場の参加者の方々による読者賞審査を行い、読者賞を決定します。

■第3部
「DAYS JAPANと世界」
DAYS JAPANがこの3年で発表した映像とゲストのスピーチ
スピーカー:
池田香代子(「世界がもし100人の村だったら」の今・翻訳家)、伊藤千尋(南米で何が起きているか・ジャーナリスト)、 ナターシャ・グジー(チェルノブイリ事故から20年・歌手)、三科次郎(戦場で消えた仲間たち・CNNシニアカメラマン) 広河隆一(パレスチナ取材40年・DAYS JAPAN編集長)

■イベント情報

●12/1- 東京ほか: みえない雲
http://www.mienaikumo.jp/

●1/27- 東京ほか: グアンタナモ、僕達が見た真実
http://www.guantanamo.jp/

●2/1-3/30 東京: 東京国際芸術祭2007
http://tif.anj.or.jp/

●2/17 東京: チョムスキー:マニュファクチャリング・コンセント上映!
http://www.cine.co.jp/media/

●2/24-3/5 東京:フォト・プレミオ 青木弘写真展「BORN UNDER FIRE−戦火の子どもたち−」
http://konicaminolta.jp/about/plaza/schedule/2007february/gallery_b_070224.html

●3/3 神奈川:第4回FAV連連影展
http://www.renren-fav.org/

●3/5 東京: DAYS JAPAN 3周年記念イベント
http://www.daysjapan.net/news/news2007/news200702_01.html

●3/9 東京: イラン・パペ来日 パレスチナ/イスラエル──民衆の共存に向けた歴史の見直しを
http://midan.exblog.jp/5526275/

●3/10- 東京: パラダイス・ナウ
http://www.uplink.co.jp/paradisenow/

●3/10 東京: 講演会「憲法9条を泣かせるな」
http://www.ikenkoukoku.jp/

●3/22-4/1:周 香織・ねもと よしみ 二人展 「おわりとはじまり」
 会期中トークイベントあり
 ●3/24, 4/1:「ねもとよしみ劇場」
 ●3/25, 3/31:「周香織の部屋」
http://shukaori.exblog.jp/d2007-02-01


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