チェチェン総合情報

更新情報 2008.01-2008.12

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28.Dec 2008 チェチェンニュース:ブダーノフ、1月4日までに保釈が決定
Chechen girl strangler 'leased'

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チェチェン少女の絞殺犯「釈放」か

(12/24 BBC)ロシア南部ウリヤノフスクの裁判所は、2000年から収監されているユーリー・ブダーノフの釈放を求める署名に応じると発表した。ブダーノフは、18歳のチェチェンの少女エリザ・クンガーエワを絞殺した罪で、2003年に10年の実刑判決を受け、受刑中だった。

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1000人以上のチェチェン人が、ブダーノフ釈放に抗議

(AP,RIA 12/25)チェチェンの首都グローズヌイでは、1000人以上の市民が、公然と市内中心部の広場でブダーノフ大佐の釈放に抗議する集会を開いた。参加者たちは、「殺人者は監獄にいろ」「犯人には終身刑を」といったプラカードを掲げた。

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犠牲者の父親、ブダーノフの復讐を恐れる

(12/25 インターファックス オスロ発)ブダーノフ大佐に絞殺されたエリザ・クンガーエワさん(18)の父親、ビシャ・クンガーエフさんはこう語る。

「娘が殺されてから裁判が始まっても、ブダーノフは繰り返し私を脅迫していました。家族みんなに対してです。とうとう釈放ということになってしまい、本当に命の危険を感じています。だから私は自分の村に帰るのはやめます」

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24.Dec 2008 嬉しくないプレゼント
Правозащитники: ≪Для Буданова ? один закон, для Бахминой ? другой≫

ユーリー・ブダーノフ大佐が保釈されたようです・・・。詳しくはまた。

[12/24 Svobodanews.ru]






23.Dec 2008 チェチェンニュース:映画紹介『チェチェンへ アレクサンドラの旅』

天皇ヒロヒトを描いた「太陽」を作ったロシアのアレクサンドル・ソクーロ フ監督の最新作です。題名の通り「チェチェン」が主要なテーマであることは 間違いありませんが、チェチェンについての何らの説明もなく、また戦争の直 接的な場面も出てきません。しかしこの映画はまぎれもなく「チェチェン戦 争」の実態の中心的な部分を見事に描き出しています。

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21.Dec 2008 不安抱え、進む復興 チェチェン

(12.21 産経新聞)  

ロシア南部チェチェン共和国の首都グロズヌイの人々は、ようやく訪れた平和を満喫していた。独立をめぐる2度の紛争で廃虚と化した市街は建設ラッシュにわき、人々は親露派のラムザン・カディロフ共和国大統領(32)を惜しみなく称賛した。一方で、誘拐事件がいまなお頻発し、武装勢力に身を投じる若者が絶えないといった証言もある。プーチン首相とカディロフ氏の個人的関係に依存した復興はいつまで続くのか。懸念を抱えつつ安定への道を歩み始めた街から報告する。(グロズヌイ 佐藤貴生)

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22.Dec 2008 ロ極東NHKカメラマン一時拘束デモ取材で

(12.21共同)ロシア極東のウラジオストクで21日、日本などからの自動車の輸入関税引き上げに抗議するデモがあり、取材中のNHKのロシア人カメラマンを含む報道関係者らがデモ参加者とともに治安当局に一時拘束され、けが人が出た。NHKによると、カメラマンも腕に軽い打撲傷。

(今日の東京新聞朝刊によれば、先週と同じように「プーチン辞任せよ」のプラカードもあったとのこと。自動車の輸入関税の引き上げで、各方面に影響が出ています)

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18.Dec 2008 欧州人権裁判所、ロシア政府に賠償を命じる判決
European Court of Human Rights condemns Russia for the murder of two residents of Chechnya

(2008年11月14日、ストラスブール、プリマニュース)ヨーロッパ人権裁判所は、2001年の10月27日にチェチェンで起こった民間人の殺害について、ロシア政府に責任があるとする判決を下した。

 この事件は、2001年10月27日午後3時ごろ、3機の軍用ヘリコプターがコムソモールスコエ村に飛来し、地上を走行中の自動車を警告射撃した。ヘリの 1機が着陸し、数人の兵士が降機してその自動車を機関銃で銃撃して炎上させ、農作業から戻る途中の15歳のアフメッド・ガカーエフと20歳で二児の母であるのザリーナ・マジドーヴァを拘束し、ヘリで連れ去った。

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17.Dec 2008 東京新聞:ロシア各地でデモ 経済不安 プーチン首相の辞任要求も
Tokyo-np: Demanding to resign Putin

モスクワのデモの様子

【モスクワ=中島健二、ウラジオストク=A・ポルトフ】原油価格急落による景気不安が広がるロシアで、反政府を掲げた抗議行動が続発している。十四日にはモスクワで集会を開こうとした市民ら約九十人が拘束されたほか、極東のウラジオストクでも「プーチン首相辞任」を叫んでデモ行進するなど、経済悪化が社会不安を膨らませている。

・・・極東では日本からの輸入中古車が現地経済に深くかかわっており、輸入規制案が浮上するたびに抗議行動が起きているが、プーチン首相を名指ししたスローガンが叫ばれたのは極めて異例。

全文を読む: ロシア各地でデモ 経済不安 首相の辞任要求も[12/17 東京新聞]


チェチェン問題は残念ながら課題になっていないようですが、ロシア社会にもこういう動きがあるということが重要だと思います。

15.Dec 2008 「プーチン政権に対して可能なのは改革ではなく打倒だけ」ロシア政府、二都市で反体制デモを鎮圧

BBC発 12月14日日曜、ロシア治安当局は、モスクワとサンクトでの反体制デモを鎮圧し、100人以上の参加者を逮捕した。モスクワでは警察が抗議会場となった二つの広場をトラックで取り囲み、参加者の逮捕に乗り出した。サンクトでは目抜き通りを通行しようとした100人の参加者を警察が阻止し、10人が逮捕された。このデモは、元チェス世界王者ガルリ・カスパロフらの「もうひとつのロシア」運動が組織したもの。

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13.Dec 2008 チェチェンニュース「さよなら、マゴメッド!」
Farewell, Magomed! by Andrei Babitsky, special to Prague Watchdog

チェチェンニュースを発行しました。 イングーシで殺害された反体制派ウェブサイトの主催者、マゴメッド・エブロエフ氏にあてられた、ラジオ・リバティーのバビツキーによる追悼文です。ポリトコフスカヤなきあと、ロシアやチェチェンから、顔の見える通信が途絶えていた・・・と考えたのは私の勝手な思い違いで、こうして努力している人はいたということがよくわかります。

「復興が進んでいる」とされるチェチェンのすぐ隣で、チェチェン戦争で使われたのと同じ戦術が始まっています。それは、ロシア第42軍など、この地域で活動している面々は同じで、矛先だけが変わっているからだと思います。(大富亮/チェチェンニュース)

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06.Dec 2008 アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺から2年
On the fierd - 2 years since murder of Anna Poritkovskaya

少し遅くなってしまいましたが、アンナ・ポリトコフスカヤについて、アムネスティ・インターナショナルの川上園子さんが朝日新聞のコラムを執筆されましたので、紹介します。

「ポリトコフスカヤ暗殺は、ロシア、とりわけ北コーカサスのジャーナリストやNGOスタッフが現在置かれている危険な状況を象徴する事件といえる。――ここ数年、北コーカサスで警察や治安当局などが関与する人権侵害の報告が増加しているという。北コーカサスのジャーナリストやNGOスタッフらは、頻発する当局による人権侵害を告発しようとしているが、それによって自らが脅迫、嫌がらせを受けている。

今やロシアでは、真実を追究し情報を配信すること、政権に批判的な意見を表明することは、最も危険な行為なのかもしれない。

アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺から2年―アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺から2年[11/18朝日新聞]


05.Dec 2008 「ユーラシア研究」にチェチェンの論文
Chechen report on "Eurasian Studies" No.39

「欧州のチェチェン難民の急激な増加により、チェチェン問題への関心が再び高まっている――」ユーラシア研究所の発行している「ユーラシア研究」の最新号に、富樫耕介さんの論文「第二次チェチェン戦争の経緯と現在の課題」が掲載されました。チェチェンの最近の状況について、簡潔にまとめられていますので、大型書店などでお買い上げください。

くわしい情報

04.Dec 2008 RHQが難民への援助金の給付を停止!

在日ビルマ難民たすけあいの会によると、政府の外郭団体である難民事業本部(RHQ)が、日本に来た難民に対して給付していた援助金を、12月3日に突然停止した。RHQ側は、外務省に提出した予算が通らなくなったという。

ビルマ、クルド、その他の地域から来ている難民と難民認定希望者は、現在給付を受け取っている人も含めて、給付が停止されてしまう。

外務省は何を考えているのだろう。また、難民認定希望者の問題に関しては、問題の根本は法務省にある。1年、2年と、長期にわたって希望者を放置し、ほとんどは就労も許可しない。その人びとの糧になっていたのは、この援助金の存在だったのだ。(12/5、一時的に停止されていた援助金の支払いが再開されました。ヨカッター)

在日ビルマ難民たすけあいの会

03.Nov 2008 チェチェン戦争の現実を伝える写真展がプラハで開催
Graphic Chechen War Photo Exhibit Opens In Prague

(右の写真は、展示を見るハヴェル元大統領)

 プラハにある元チェコ大統領のヴァーツラフ・ハヴェル・ライブラリーで、論争を呼ぶ写真展が開催された。そこでは、ロシアがチェチェン共和国の独立運動を阻止しようとして軍隊を派遣した、第一次、第二次チェチェン戦争期に撮影された写真が展示されている。

 「チェチェン:最終解決(※)」と題されたこの展示会は、ポーランドの権利擁護活動家、アダム・ボロフスキーによって企画された。展示には生々しい暴力シーンがいくつも含まれている。(訳/藤沢和泉)

(※)「最終解決」とは、ナチスドイツが「ユダヤ人問題の最終的な解決」としてホロコーストを行った際に使われたことから、大量虐殺について論じる時にしばしば用いられる用語である。

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03.Dec 2008 バイエフ医師についてのニュース 放送されました
News on Khassan Baiev

ハッサン・バイエフ医師についての番組が放送されました。 BS−1「きょうの世界」 時間:10:15〜11:40の中のどこか

ここで録画を見ることができます。

28.Nov 2008 ガーディアン:"ロシアでジャーナリストになることは自殺である"
Gurdian: 'To be a journalist in Russia is suicide'

 「ロシアは記者になるのが世界でもっとも危険な地域のひとつです。アンナ・ポリトコフスカヤ殺害の裁判が続いているなか、リューク・ハーディングがひとりのエディターの命をかけた戦いをリポートしました。」今回はこのガーディアンの記事を和訳します。ロシアにおける「表現の自由」の状態が劣悪であることはすでに何度も指摘されてきたことですが、ひとりひとりのジャーナリストの戦いを知ることは、それが何度であろうと決して無駄なことではないでしょう。「ロシアでジャーナリストになることは自殺である」。この言葉はとても心に突き刺さりました。(藤沢和泉)

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14.Nov 2008 ハッサン・バイエフ東京講演無事終了

「3回目の日本ですが、こうしてみると会場には何人も知っている人が来ているのが見られて、嬉しいかぎりです」

11月12日、文京区民センターで、チェチェンの外科医ハッサン・バイエフ医師の講演が開かれました。ハッサン医師はレーザー医学会の招きで来日したのですが、このところベトナム、コロンビア、チェチェンと、世界中で手術活動をしてきたということでした。簡単ですがご報告を。

ベトナムにも、口唇口蓋裂の子どもがいて、アメリカのNGO、「オペレーション・スマイル」の活動をしてきたそうです。

「ベトナム戦争はずいぶん前ですが、いまでも大勢の口唇口蓋裂の人がいるのには衝撃を受けました。さて、ベトナムで二週間を過ごした後、チェチェンに短期間戻りました。オペレーション・スマイルのチェチェンでのミッションを行なったからです。

そのあと、またアメリカに戻って、今度は南米のコロンビアに行き、軍病院で口唇口蓋裂の子どもの手術をし、またチェチェンに戻り、5ヶ月をすごしました。私を含めて28人のスタッフが参加しました。

オペレーション・スマイルはアメリカのNGOですが、カナダ、ブラジル、イタリア、ロシア、さまざまな国から参加した医師たちがいました。今回のチェチェンでのミッションでは、およそ400人の口唇口蓋裂の子どもに対して、助言活動をしました。

神経的な問題を抱えている子どもだけで500人もいました。2週間の間、このミッションが続けられたのですが、症状の重い子供達から優先に手術が行なわれましたので、全員を手術するわけにはいきませんでした。

この子どもたちは、他の地域で治療を受ける可能性がほとんどない子どもたちでした。今後、来年もこういうミッションを反復して行い、できるだけ多くの子どもの手術をするという計画があります。

この医療チームの一同がびっくりしていたのは、チェチェンの復興が早いペースで進んでいることです。きれいな建物が立ち並び、公園や噴水なども整備されつつあり、グローズヌイの市街中心部からは廃墟が一掃されています。

建築物の復興が進んでいるのは事実ですが、人間の傷は癒えていないというのも事実です。医療関係者も劣悪な環境で、多くの患者をかかえて奮闘しています。

機材も医薬品も足りませんし、もう少しいい手術機材があれば能率は上がったのですが、今回のミッションでは、60人の手術が限界でした」

今回の参加者は50名ほど。質疑応答も活発でした。ご参加くださったみなさまと、今回の招聘に募金をしてくださった皆様に感謝します。なお、一般講演の予定はもうありませんが、バイエフ医師は今月19日まで日本に滞在しています。招聘・医療支援募金はまだ受け付けていますので、こちらもよろしくおねがいします。

チェチェンの子ども日本委員会(準備会)

04.Nov 2008 イングーシ騒乱

少し前の産経新聞に、「イングーシ 忍び寄るチェチェン化 “カフカスの火薬庫”の現状探る」という記事が出ていて、

「イングーシでは02年、元KGB中将のムラト・ジャジコフ氏が大統領に就任して以降、治安部隊など当局の関与が疑われる殺人・拉致事件が続発。正確な数は不明だが、現地の人権団体マシルは同政権成立以後、約500人が死亡、約160人が行方不明になったとし、詳細情報をインターネットサイト(http://www.mashr.org/)で公表している。」

「ジャジコフは破壊者だ。正当な法的手続きを取らずに住民を裁いている。政権に嫌気がさして大量のイングーシ人が警察を辞めた。  

・・・2004年の内務省襲撃事件以来、イングーシは事実上の内戦状態に入った。男たちは夜、武器を持って出ていく。17、18歳の若者たちも加わっている。陰で彼らを支援する者も多く、女性も例外ではない」

というような情報があり、ついに10月31日にジャジコフが更迭された。後任はまたロシア側が任命するのだが、地元民の選挙によらない大統領が何度選ばれても結局はよくならないばかりか、力による統治がすすむばかりだ。民主制と独裁の間にある「権威主義」の体制は、そうしなければ維持できない。北コーカサスのバブルは武装蜂起ではじける。

それで、下記のアクションはまだ有効なはずなので、ぜひご協力ください。

16.Oct 2008 表現の自由は窒息寸前。メドベージェフに言いたいことを言おう

以下、アムネスティのページより。ロシア大統領府のメールフォームに簡単に貼り付けられるリンクと例文がありますので、ぜひご参加ください。

2008年7月のある朝、ロシア連邦の法執行官と見られる武装した50人ほどの男が、イングーシ共和国のスンジェンスキー地区に住むズラブ・ツェチョーエフの家に、3台の軍用車両と3台の小型トラック「ガゼル」で訪れました。家の門を開けたズラブ・ツェチョーエフは、銃を突きつけられて地面に伏せるよう命令され、自宅から連れ出されました。

武装した法執行官は、ズラブ・ツェチョーエフの自宅を捜索し、携帯電話2台とコンピューター1台を押収しました。その後、ツェチョーエフは軍用車両に乗せられ、連れ去られました。家族は検察当局と内務省に対して彼がどこにいるのかを問い合わせましたが、情報はまったく提供されませんでした。数時間後、イングーシ共和国の首都マガス近郊、エカジェヴォ村近くでツェチョーエフは発見されました。彼はひどく暴行を受けており、すぐに病院に運ばれました。

ツェチョーエフによると、彼はマガスにあるロシア連邦保安局(FSB)の建物に連れて行かれ、その地下室で拘禁されて暴行を受けました。その間、彼は、自分が働いているMASHRというNGOについて質問されていますが、MASHRはイングーシ共和国で起きている強制失踪や誘拐事件などの人権侵害に対してキャンペーンを展開しているNGOです。彼は、MASHRのウェブサイトの編集を担当しています。

釈放されたとき、ツェチョーエフは、拘禁について申し立てたり、MASHRの仕事を辞めなかったり、9月までにイングーシから去らなければ、彼とその家族を殺すと脅しをかけたと伝えられてます。

2006年に暗殺されたアンナ・ポリトコフスカヤをはじめ、チェチェンやイングーシなど北コーカサスにおける人権侵害などでロシア政権を批判する人々は、常に身の危険を感じながら活動を続けているのです。

メドベージェフ大統領にメッセージを送ろう!
オンライン・アクションに参加

19.Oct 2008 イングーシでロシア軍部隊への攻撃、40人死亡か?Russians ambushed in Ingushetia

不穏な情勢の続くイングーシ共和国で、ゲリラ攻撃があり、ロシア軍にかなりの損害があったようです。以下BBCより。最後のくだり、「国家主導のテロ」が具体的にどんなものかわかりませんが、イングーシ国内でのロシア軍の掃討作戦や、最近のウェブサイトオーナーの銃殺事件を指しているのだと思います。

こうした市民への弾圧や、言論の封殺によって、武装勢力に合流する若者が増える>今回のような事件が増える>さらにロシア軍が増派されて弾圧を強める、という悪循環が続いているような気がします。人権団体の情報があれば追加します。

10月18日、チェチェンの隣国イングーシで、ロシア軍の車列がゲリラに攻撃を受け、軍側の発表では2名が死亡、7名が負傷した。その一方で、40名が死亡したという情報もある。この車列は、ナズラニの近辺を移動していたところを、グレネードと機関銃で武装したゲリラの攻撃を受けた。

ロシア軍側は「当該エリアでは、今回の攻撃を行なった武装勢力の掃討を進めている」と発表。ロシア国内での報道では、この事件で装甲車1台とトラック2台が破壊されたとしている。

しかし、イングーシ当局者が語ったところでは、ロシア軍側の死者は40名にのぼるという。これによれば、破壊された装甲車は3台、トラックは2台にのぼり、乗車していた兵士のほとんどが死亡した。事実であれば、イングーシでのロシア軍の損害としては過去最大となる。ロシア軍側はイスラム勢力を主な攻撃対象としている。

9月に、モスクワの人権団体「ヘルシンキグループ」は、「〈国家主導のテロ〉が、イングーシを戦争に引きずり込もうとしている」と声明している。

くわしく読む

12.Oct 2008 チェチェンで地震、12人死亡
Chechnya Hit By Deadly Earthquake

(朝日新聞10/12)ロシア南部のチェチェン共和国がある北カフカス地方で11日午後、地震が発生し、イタル・タス通信によると、同共和国で12人が死亡、けが人も多数出ている。

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10.Oct 2008 アムネスティ : 人権活動家とジャーナリストへの暴力に対する免責に終止符を
Amnesty: End impunity for violence against human rights defenders and journalists

「アンナ・ポリトコフスカヤの殺害から2年が経過するが、ロシア連邦、とくに北コーカサス地域において、人権擁護活動家とジャーナリストは依然として危険な状態に置かれている。彼らは誘拐、拷問、自宅への襲撃、死の脅迫などを受ける恐れがあり、また疑わしい状況で殺害されてしまう可能性もある」。

具体的な事例:

(留置所での殺害)イングーシの独立系ウェブサイトのオーナーであるマゴメッド・エフロエフ(Magomed Evloev)が2008年8月31日に警察留置場で殺害された疑問の多い事件は、最大限の公正性をもって調査するべきであり、彼が死亡した状況を明らかにし、彼の死に関与した者たちを起訴し、法に基づいて裁くことを確約する必要がある。

(当局による誘拐と暴行)2008年7月25日、イングーシの人権団体 MASHR(平和)で活動していた人権擁護活動家ズラブ・ツェチョーエフ(Zurab Tsechoev)は、連邦政府の法執行官と思われる武装した男たちによってトロイツカヤの自宅から連れ去られた。数時間後、ツェチョーエフはイングーシの首都マガス近くの道路脇で発見されたが、重傷を負っており、入院しなければならなかった。アムネスティは、ツェチョーエフへの暴力行為の加害者を明らかにし、裁判にかけるよう要請する。

(人権活動家宅への放火)2008年8月1日夜、ロシア中央連邦管区オリョール市の人権擁護活動家ドミトリー・クラジューキン(Dmitrii Kraiukhin)が住むアパートが放火された疑いがある。放火犯らはまた、アパートの入口を塞いだと見られている。幸運にもクラジューキンはアパートにはおらず、在宅中だった家族がただちに消防署に通報した。アムネスティが把握するところでは、損害がそれほど大きくはなく犯罪としての捜査の必要はないと当局が考えているものと見られ、現時点で捜査は行なわれていない。しかし今までのクラジューキンへの脅迫を考える限り、これは彼の活動と無関係の事件ではない。

(同じく脅迫と自宅襲撃)2008年8月14日、正体不明の襲撃者たちが、ニズニイ・ノヴゴロドの人権擁護活動家スタニスラフ・ドミトリエフスキー(Stanislav Dmitrievskii)が住むアパートの窓にレンガを投げつけた。幸運にも負傷者はなかった。同じ頃、アパートの入口にはドミトリエフスキーに対する誹謗と脅迫の言葉が一面に書かれていた。この事件に対する捜査は開始された。

ロシア連邦 : 人権活動家とジャーナリストへの暴力に対する免責に終止符を

(カッコ)はチェチェンニュースによる

07.Oct 2008 開催が危ぶまれるサンクトの追悼集会
















ペテルブルグで10月7日19時より、アンナの死を悼む集会が計画されている。場所は、ペテルブルグではアンナの追悼と言えばここでいつも集会を開いてきた、政治弾圧の犠牲者の記念碑、ソロヴェツキー島の石があるトロイツキー広場だ。

しかし今回は、この集会がひらけるかどうか。ペテルブルグ市当局はこの行動の許可手続きを拒否している。

「市当局があからさまなシニシズムをみせつけようとも、われわれはこの日、その時間にアンナ・ポリトコフスカヤを追悼するためソロヴェツキーの石のところに行く」と「ヤブロコ」ペテルブルグ支部のマクシム・レズニク氏。

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日本時間で今日の深夜には決着がついてしまいます。

05.Oct 2008 アムネスティ・フィルム・フェスティバルにて「アンナへの手紙」上映決定!
"Letter To Anna" on Amnesty film festa

来年1月17、18日に開かれる「アムネスティ・フィルム・フェスティバル」で、 エリック・バークラウト監督の「アンナへの手紙」が上映されることになりました。今年の6月に難民映画祭で上映された作品ですが、1回限りの上映でしたから、 見逃された方も多いかと思います。ぜひこの機会にご覧下さい。 まだウェブ上には詳細がありませんが、1月17日の15時より。

アムネスティ・フィルム・フェスティバル

2006年10月7日、プーチン大統領54歳の誕生日、ロシア政権を最も厳しく批評していたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤはモスクワの自宅で暗殺される。弱者擁護の彼女はなぜ無念の最期を迎える事に?何千人もの流出を生み出しているチェチェンでの軍事政策を公然と非難したからだろうか?そしてその犯人は処罰を受けるのだろうか?

原題: Letter To Anna 監督:エリック・バークラウト スイス(2008) 音声:英語・ロシア語 字幕:日本語 83分 ジャンル:ドキュメンタリー p.s. 72 productions

03.Oct 2008 「ロシアの良心」東京新聞コラムより
Memorial colum for Anna politkovskaya















今日の東京新聞に掲載されたコラムを一部紹介します。

「10月7日は、私が世界で最も尊敬するロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤの命日である。2006年のこの日、プーチン政権の闇を暴き続けてきたポリトコフスカヤは、自宅前で何者かに銃で殺された。・・・今、日露の関係はよくも悪くもない。だが、両国とも「愛国教育」を過熱させており、何らかの摩擦が起これば、相手を敵視することもありうる。そんな愚かな歴史を繰り返さないためにも、私はポリトコフスカヤを読み返す」(星野智幸=作家)

紙面では、チェチェンで戦った若き日のトルストイや、明治の知識人、そして現在の戦争と、星野さんならではの視点で追悼が語られています。アンナが亡くなって、ちょうど2年が過ぎようとしています。

[10/3 東京新聞夕刊1面]

27.Sep 2008 「春になったら」無料配信開始!
Chechen animation "when became the spring"

チェチェンから日本に来た留学生、ティムールの作ったアニメーションが、ウェブで公開されました。戦争を高みから見おろすのではなく、最も弱い子どもたちの立場から見ると、状況はとても明確だと思います。5分ほどの短いものですが、心に残ります。前回紹介した子どもの物語にあらずと一緒に、ぜひご覧下さい。

「春になったら」科学映像館のサイト


26.Sep 2008 Good news! 欧州人権裁判所、ロシア政府に20万6千ドルの支払いを命令
Strasbourg court fines Russia $206,000 over Chechnya deaths

9月4日、ヨーロッパ人権裁判所(ECHR)は、チェチェン戦争で誘拐・殺害された被害者の2家族からの訴えに関し、賠償として20万6千ドル(2千万円程)の支払いを、全判事一致の判決で命じたことが、25日になって明らかにされた。

アドナン・アフマドフの両親は、2002年に息子が誘拐された事件に、ロシア当局が関わっていると主張していた。アドナンはロシア兵士によって逮捕されたことが証言によって明らかだったためである。ロシア政府はこれを否定していたが、裁判所には認められなかった。

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25.Sep 2008 ルスラン・ヤマダエフ、モスクワで銃殺
Yamadayev Shot Dead in Moscow City Center

9月24日、議員で軍人だったルスラン・ヤマダエフが、モスクワ市街中心部で銃殺された。犯人はロシア議会近くで信号待ちしていたヤマダエフのベンツに銃弾数発を撃って逃走した。ベンツに同乗していたロシアのチェチェン派遣軍のセルゲイ・キズーン元司令官は重傷を負ったという報道があった。

いろいろ恨みを買いそうな経歴の持ち主なので、誰に殺されてもおかしくない気がするが、いちばん最初に挙げられるのは、やはり対立していたラムザン・カディロフだった。両方とも、ロシア英雄章を受章している。

親ロシア派は、そもそもロシアに養われている存在で、 資金や武力が供給されなければ、民衆の中に根がない。 そういう人たち同士の争い。

ルスラン・ヤマダエフ、モスクワで銃殺される[9/25 the Moscow Times]

22.Sep 2008 イングーシ情勢、グルジア侵攻まとめ
Ingushetia and Digest on Gorgia situation

8月31日に、チェチェンの隣のイングーシ共和国の反体制活動家エブラエフ氏が死亡した事件が発端となって、イングーシでは「テロ」が続発していると言う報道が各社からあった。イングーシでテロ続発 反ロ勢力官庁襲撃 隣国への拡大懸念[東京 9/21]や、 露イングーシで警察官襲撃、2人死亡[AFPBB 9/1]など。

これによると、警官駐在所が襲撃を受け、軍の将校が銃殺され、議会副議長宅が銃撃されるなどの事件が続発しているという。平和的に体制批判する人物を文字通り抹殺してしまえば、武装闘争が活発化するのはあたりまえだ。

イングーシではしばらく前から、チェチェン独立派と関係のあるグループによる武装蜂起事件や、取締りを名目とした人権侵害などが続いていた。これについては、アムネスティのリリースに詳しい。イングーシの人権活動家に対する拘禁と暴行の調査を[amnesty 7/25] ,ロシア連邦 : チェチェンの過ちを繰り返してはならない[amnesty 2007.10.25]

と、こういう状況が続いているので(今はロシアの傀儡であるラムザン・カディロフの圧制下に置かれているチェチェンでの抵抗活動は活発ではないが)、 ローカルなレベルでも、国際政治の力学のレベルでも、人々の命が次々と売り買いされているコーカサスでは、人々の不満を土台にした武装闘争は拡大に向かっていると思う。

イングーシで起きているのはテロというより抵抗ではないだろうか。

ところで、グルジア情勢はこのサイトではあまりフォローできなかったが、 東京新聞にわかりやすいまとめがあったので、紹介します。(大富亮)

「ロシアとグルジアが軍事衝突してから8日で1カ月。ロシアはグルジア領内へ侵攻し、南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立承認にまで踏み込んだ。猛反発する欧米との対立は先鋭化の一途をたどり、「新冷戦」へ突き進む様相。紛争の歴史と背景をひもとき、経緯をふまえて問題点を検証し、今後を展望した。

・・・グルジアでは二十世紀初頭のロシア帝国崩壊以来、支配民族であるグルジアに反発する南オセチア、アブハジアをロシアが擁護、利用する構図から、摩擦が繰り返されてきた。十九世紀後半にロシア帝国に併合されたグルジアは、ロシア革命後の一九一八年に独立を宣言、グルジア民主共和国を樹立した。首都トビリシは二二年に赤軍に制圧され、ソ連支配が続いたが、反グルジアの南オセチアは自治を容認された」
グルジア紛争1カ月 強気貫くロシア[東京 9/8]

6.Sep 2008 「子どもの物語にあらず」無料配信開始!
Chechen documentary "Not Children's Story" on line

チェチェンの子どもたちが語るチェチェン戦争。2003年に、アムネスティ・インターナショナルのスピーキングツアーで招待されたザーラ・イマーエワさんによるドキュメンタリー映像が、ネット上で公開されました。無料で見ることができます。

20分程度の短い作品ですが、子どもの見たものが、とつとつと語られるこの作品は、2000年前後の、洪水のような「テロとの戦争」というプロパガンダの中で、宝石のような貴重さを感じさせました。ぜひご覧下さい。以下、紹介文より。なお、ウィンドウズ・メディアプレイヤーが必要なようです。

作品の冒頭と末尾で少女が唄うのは、北コーカサス随一の美しい公園都市であった首都グローズヌイを頌えるもの。子どもたちのおぞましい体験の証言に交錯するニュース映像のロシアの大人たちの勝手な言い分が、この汚い戦争の本質を暴いて強烈なメッセージを発している。人口たかだか100万だったチェチェン人は、1994年に始まり、今もだらだらとゲリラ戦がつづく今日までに、大半を非武装民間人が占める25万の人命を失なった。そのうち4万人は、罪なき子どもたちである。

「科学映像館」のサイトへ

17.Sep 2008 上映中!映画「12人の怒れる男」
Russian Movie "12 Angry Men"

「あんたは残り11人が有罪に投票するなら、納得して自分も有罪に入れると言う。だけどそんなのは詭弁だな。自分は無罪だと信じていたのにも関わらず他の奴らが有罪に決めたという事実が欲しいんだ。自分の手は汚さずにな」

シャンテ・シネで公開中のロシア映画、「12人の怒れる男」を見る機会があった。フィクションを楽しみたい人にも、ノンフィクションに関心を持つ人にも、お勧めの映画だ。

舞台はたった一箇所、モスクワの裁判所に隣接する体育館。被告人はチェチェン人の少年。父親殺しの疑いで服役寸前。彼の将来は陪審員の評決一つにかかっている。しかし12人の陪審員たちは家庭や仕事に早く戻りたいあまり、誰もが「有罪」に票を入れてことを終わらせようとする。

しかしそのうちの一人が、疑問を口にしたことで、すぐに散会するかに見えた評議が、夜通し続く真実の追究の場に変わってしまう。果たしてチェチェン人の少年は本当に罪を犯したのだろうか?

この映画で語られることの多くは、ロシアの現実に根ざしている。差別、貧困、横行する経済犯罪。一見チェチェン人が裁かれているように見えるこの裁判は、首都モスクワに住む人々の生活や、その裏側に隠されたものの姿を照らし出さずにはいられない。

エリツィン・プーチン・メドヴェージェフの新体制のもとで、ロシアは苦しみつづけている。その先鋭な露出部分がチェチェンであり、この少年なのだ。だから、この少年を裁こうとすれば、ロシアの暗部がさらけ出される。

映画の中で陪審員たちは自分の経験を語るのだが、これがどれも並大抵でない。しかもとても作り話とは思えないリアリズムに満ちている。誰一人善人はいない。だが誰もが善人でありたいと願って苦しんでいる。

重いドラマを、余すところなく肉付けをするロシアの俳優たちはつくづく芸達者だ。8月からシェンテシネ他でロードショー。(大富亮)

『12人の怒れる男』公式サイト

追記:辛口の映画評もありましたので、紹介します。「この映画を見て、チェチェン人はどう思うだろうか?」という、忘れてしまいがちな視点があります。

ミハルコフ『12人の怒れる男』は法より慈悲(論駄な日々)

『12人の怒れる男』(末尾追記)(Arisanのノート)

15.Sep 2008 最近のいろいろな出来事
recent various report

仕事で忙しくて、何もカバーできていないのですが、そんなこのサイトにしびれを切らせた読者のIさんからお寄せいただいた情報などです。

■政権批判のジャーナリスト死亡 頭に銃弾、ロシア[9/1朝日]

8月31日の報道ですが、イングーシ共和国でジャーナリストのマゴメド・エブロエフ氏が頭部を撃たれ死亡したというニュースがありました。朝日新聞から少し引用します。

「イングーシ共和国で8月31日、政権批判を続けていたインターネットサイト運営者でジャーナリストのマゴメド・エブロエフ氏が頭部を撃たれて死亡した。検察は過失致死事件として捜査する方針だが、エブロエフ氏の弁護士は事故ではないとの見方を示している。・・・イングーシのジャジコフ大統領は旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身。今年初め、言論の自由などを訴えるエブロエフ氏のサイトを閉鎖するよう求める裁判を起こしていた。エブロエフ氏は同共和国の体制批判の中心人物だった」

邪魔者は消せ。暗殺はロシア名物になりつつありますね。問題のウェブサイト、ingushetia.ruはこちら。

■チェチェン支援NGOの邦人、入国拒否−モスクワの空港で[9/9毎日]

日本人の学生、菊池由希子さんがロシアへの入国を拒否されたというニュースもありました。

「ロシア・チェチェン紛争で負傷した子どもたちの支援活動をしている日本の非政府組織(NGO)「イムラン基金」代表、菊池由希子さん(25)=青森県弘前市出身=が8日夜、モスクワのシェレメチェボ国際空港でロシアへの入国を拒否された。理由は示されなかったが、菊池さんはチェチェン紛争被害者の支援活動が理由と考えているという」

そういえば、日本山の寺沢潤世上人の入国禁止も解けていません。邪魔者の排除もロシアのお家芸ですが、日本への入国を拒否られた、まったく破壊的な意図のない人を何人も知っているので、これはあながちロシアだけの問題ではなく、国家の宿痾なのかも知れません。

■ロシア 語られない戦争 チェチェンゲリラ従軍記

これも少し前ですが、常岡浩介さんの本がアスキー新書から刊行されました。

(紹介文より)「プーチンという強力な独裁者により、未曾有の経済発展を遂げたロシア。だがその影で何が行なわれていたのか……。世界紛争地帯の取材を続ける著者が、1年半ものあいだ行動を共にしたチェチェン独立派ゲリラ部隊での体験を綴る、渾身のルポ。野営の日々、地雷原突破、ロシア軍戦闘ヘリからのミサイル攻撃。加えて、元諜報機関員リトビネンコ暗殺事件に象徴されるロシア秘密警察の活動の実態--著者自身がロシア秘密警察に16日間拘束された--や、欧州へ流出しているチェチェン難民の逃避行に同行した体験を記す」

■みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会

最後に、パレスチナ関係の情報ブログ、P-navi infoでも紹介されていた情報。渋谷の宮下公園を、スポーツ用品メーカーのナイキが占有して、ナイキ公園にしようという計画が進んでいるようです。どんな形で実行しようとしているのかはわかりませんが、なにやら臭い計画。というのは、宮下公園には大勢のホームレスが小屋がけして生活していたのですが、管理者側が公園のどまんなかにフットサル場を造り、その際にホームレスを排除するなど、管理を強化していたからです。「民営化」の名のもとに、多国籍資本と国はなにをしようとしているのでしょうか。公園を計画から守る共同声明の賛同募集中です。こちらは第三次締め切り9月20日。

とりあえず以上4題です。(大富)

27.Aug 2008 カナザワ映画祭2008 フィルマゲドンは映画の未来、そして世界平和の実現のために開催するのである!

何かすごい勢い・・・。

http://www.eiganokai.com/

カナザワ映画祭2008 フィルマゲドン
期間:2008/9/12-19 場所:金沢21世紀美術館、シネモンド、金沢新天地商店街広場、金沢駅前シネマ
上映作品:

◆消えた少女たち◆

アメリカ企業が進出したメキシコ国境の町。安い賃金で働く女性達が失踪し、砂漠で死体となって発見される。この町で一体何が起きているのか??

◆ アブグレイブの亡霊◆

イラクのアブグレイブ刑務所。アメリカ軍のイラク人捕虜虐待事件。なぜ人間が人間に対して残虐になれるのか。目撃者、被害者、加害者の証言を交えた衝撃のドキュメンタリー。

◆ シャドウ・カンパニー 戦争を変えた民間軍事会社◆

戦争もビジネスになる??民営化された軍事会社から今日も戦闘員(社員)が派遣される。正規兵とは一線を画す彼等の実態とは???

◆ はだしのゲン◆

日本人は原爆の悲劇を決して忘れてはいけない…。戦争を知らない世代へ伝えたい一作品。

など、他にも監督のトークショー付の上映会も御用意しております。

その他の作品、チケットなどの詳細は映画祭のHPをご覧になっていただけるとお分かりになるかと思います。

以上、主催者からのメールでした。冒頭の文句はブログより。情報ありがとうございます。

24.Aug 2008 グルジア情勢いろいろ
situation on Goergia

グルジア問題についての論説を、順次紹介していきます。

南オセチア紛争:非承認国家問題の正しい理解を[宇山智彦/スラブ研究センター/8.13]

「グルジアは、国際法的に南オセチアがグルジア領である以上、実効支配を回復するためには軍事を含むさまざまな手段を使ってよいという立場を取る。 しかし現実問題として、長年にわたって事実上分離している地域を戦争によって再統合するのは、アブハジアから台湾に至る世界のさまざまな地域の紛争にとって、危険極まりない先例となる。欧米諸国や日本の政府は、グルジアの「領土保全」を常に重要事項として掲げるが、これがグルジア側の武力行使を正当化するものではないという留保をつけない限り、同じ論理で中国が台湾に侵攻できるのだということを忘れてはならない。その意味で、武力行使による現状変更を許さないためには武力で押さえ込むしかないというロシアの立場も、全く理がないわけではない。

また、そもそも南オセチア紛争は、ソ連時代末期の1990年、グルジアが独立を求める動きを強めたのに対し、オセト人が自分たちは18世紀に自発的にロシア領に入ったのであり、グルジア領に入ったわけではないとして、民族自決権に基づき、自治州から共和国への昇格とグルジアからの分離を宣言したことに始まる。」

最近のグルジア情勢によせて[廣瀬陽子/スラブ研究センター/8.10]

「ロシアはメドベージェフ大統領の「強さ」を見せ付けておきたいということもあっただろう。旧ソ連諸国は、プーチン前ロシア大統領に非常に脅威を感じていたため、プーチンの存在は旧ソ連の「たが」をはめる役割を大いに担っていたといってよい。しかし、メドベージェフ大統領に政権が代わっても、強いロシアを印象付けることは、旧ソ連諸国の「離反」を防止するだけでなく、ロシア国内の締め付けにも大変有効である。特に、最近、北コーカサスの情勢が非常に緊迫しているという。プーチン大統領の傀儡であったチェチェンのラムザン・カディロフ大統領の統制力が落ち、またチェチェン独立派の動きがチェチェンを超えて、北コーカサス各地に飛び火し、北コーカサス全域で不安定化が進んでいたのである。南北コーカサスは、非常に密接に関係している。グルジアに対するロシアの強い姿勢を見せれば、北コーカサス情勢の沈静化にも役立つはずである。このように考えれば、ロシアの対グルジア攻撃はある意味「見せしめ」的な要素も強いと思われる。」

南オセチア作戦にチェチェン部隊=ロシア軍事専門家が指摘[時事通信/8.14]

ロシアの軍事専門家アレクサンドル・フラムチーヒン氏は14日、時事通信とのインタビューで、グルジア・南オセチア自治州でのロシア軍の軍事作戦にチェチェン人のヤマダエフ司令官が率いる部隊が参加していることを明らかにした。

ヤマダエフ司令官はチェチェン独立派だったが、現在はロシア軍に所属。同司令官が率いる部隊は300人前後で、ロシアの軍事介入に伴い、南オセチアに入った。グルジア軍が一時制圧した州都ツヒンバリの奪還作戦で中軸的な役割を果たしたという。



24.Aug 2008 ダルフール off topic:Dalful

グルジアのことや、チェチェンのことを書かなければならないのですが、 スーダンのことが目にとまってしまいました。コーカサスより、さらに忘れられている戦争がここにあった・・・以下は、世界の医療団のサイトより。

政府を後ろ盾としたアラブ系住民と非アラブ系住民の対立が2003年2月以降激化し、“人類史上最大の人道危機”と称されるまでの事態となっているのです。政府に支援された“ジャンジャウィード”と呼ばれる民兵組織は圧倒的な武力で村々を襲撃し、強奪、強姦、拷問、虐殺といった非人道極まる行為を繰り返しています。これまでに奪われた命は実に30万以上、国内外に逃れた避難民は200万人以上に達しています。事態を重く見た国際社会からの度重なる働きかけも虚しく、状況は悪化の一途を辿りました。2004年から避難民キャンプでの緊急支援活動を行っていた世界の医療団も2007年2月に撤退を余儀なくされました。

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コーカサス関係の更新はまたこれからします。

13.Aug 2008 対グルジア軍事侵攻にNO!署名にご協力を
Online petition for stop the agression against Georgia

【転送・転載歓迎】少し遅くなってしまったのですが、グルジア侵攻への反対署名サイトの情報を教えていただきました。Sさんありがとうございます。

ロシア側が停戦を受け入れたという報道もあり、終息に向かっているとすればうれしいことなのですが、今回のような事態に世界中の市民が反対を伝えるということは、必要だと思いますので、ぜひ署名にご協力ください。この署名文を読んだいただくだけでも、かまいません。よろしくおねがいします。

下記のサイトから、ロシアの侵攻に反対し、平和を求める文書に署名できます。

署名サイト: http://www.petitiononline.com/557799/

ざっと訳しますと
「主権国家グルジアへの、ロシアによる非合法な軍事侵攻を止めよう」

宛先:米国大統領、米国議会、欧州理事会、欧州委員会会長、NATO事務局長、欧州安全協力委員会

2008年8月8日より世界は、独立した主権国家であるグルジア共和国に、ロシアが公然と軍事侵攻するのを目にしてきました。ロシア連邦の何千もの兵士や戦車が国際的に認められた国境を侵犯し、グルジア軍に猛攻撃を加えています。のみならず、ロシア軍機は、グルジア領空を侵犯し、紛争地域外にある、いくつものグルジアの街まちを空爆しています。この空爆により、一般市民の犠牲者が何百人も出ています。ロシアによるこの軍事侵攻の主な理由は、グルジアがアメリカやEU諸国と緊密な関係を築き、自由で民主的な社会を築こうとしていることと関係しています。ロシアによる侵攻は、グルジアがNATOとEUに加わることを阻止しようという、やぶれかぶれの行動です。

ロシアによる、この恐るべき軍事攻撃は、ロシアの帝国主義的野望を明白に表しています。ロシア軍による主権国家グルジアに対する攻撃は、モスクワがソ連時代を懐かしく思い、周辺の平和な諸国をふたたび自らの支配圏に取り戻したいという熱望を持っていることのあらわれでしょう。「ロシアの周辺国がアメリカやEUのような民主主義と人道主義的な価値観を求めれば、どの国に対しても鉄槌を下す」ということを、ロシアはグルジアを侵略することで自由世界に示しているのです。

アメリカとEUにとって、真価を問われる時が来ています。ロシアの侵略を止めるため、グルジアはアメリカやヨーロッパの友人の「助け」を必要としているのです。ロシアのこの図々しい軍事攻撃を放置すれば、将来、この地域だけでなく、それ以外の地域の民主主義を損なうことになるでしょう。また、アメリカやEUが何もしなければ、今後、他の地域へのロシアの軍事侵攻にも「ゴー・サイン」を与えることになります。

私たちは、アメリカ合衆国大統領とEU諸国の指導者たちに、グルジアを救い、ロシアが停戦し主権国家グルジアから軍を引き上げるよう、ロシア政府に現実的な圧力をかけることをお願いするものです。

心をこめて

署名した人たち

***

右下のSincerely の下、undersignedをクリックすると、署名した人のナンバーが出ます。それぞれのナンバーをクリックすると、その人の名前――と場合によってはショートメッセージも――が見れます。

また下の真ん中の、click here to sign petitionという灰色長方形のボタンをクリックすると、署名ページに飛びます。ローマ字で自分の名前、そしてメールアドレスを入れれば終わりです。

コメントや自分の国籍も、入れたければ入れることができます。

その下のEmail Address Privacy Option:というのは、何もしなければPrivateになっているので、メルアドが公開されません。公開したければ、一番下のpublicを選びます。

***

以上です。

署名サイト: http://www.petitiononline.com/557799/

9.Aug 2008 対グルジア軍事侵攻に反対+アムネスティ声明Ingushetia: Detention and beating of human rights activist must be investigated

ロシア軍の対グルジア軍事侵攻が大変なことになっています。グルジアが南オセチアで先に手を出してしまったという報道もあり、きっかけはまだわかりませんが、他国(この場合グルジア)に軍隊を派遣して戦闘するのは、侵略そのものです。(メディアははっきり「侵略」ないし「軍事侵攻」と書くべきだと思います)

今回の事件の背景には、グルジアのNATO加盟を止めたいというロシア側の思惑と、それに沿った未承認国家支援策があります。しかし南オセチアの独立を支援するなら、チェチェンの独立も許すべきでしょう。

EUは、欧州安全保障協力機構(OSCE)とともに、監視団の派遣を模索しています。現在のような事態が続けば、問題は今以上にこじれます。今のところ、この監視団の派遣に期待するしかありません。

さて、このところ地方に行っていたのでフォローできていませんでしたが、イングーシ共和国でのNGOワーカーの拉致事件について、アムネスティが声明を出しました。こちらもご一読ください。(大富亮)

「ズラブ・ツェチョーエフはマガスにあるロシア連邦保安局(FSB)の建物に連れて行かれ、その地下室で拘禁された疑いがある。伝えられるところでは、地下室で彼は、法執行官から殴られ虐待を受けた。・・・ズラブ・ツェチョーエフの拘禁が広く知られるようになると、彼は釈放された。しかし釈放にあたり、もしツェチョーエフが拘禁されたことについて申し立てたり、MASHRの仕事を辞めなかったり、9月までにイングーシから去らなければ、彼とその家族を殺すと脅しをかけたと伝えられている」

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31.Jul 2008 ラムザン・カディロフ暗殺未遂という『誤報』
ASSASSINATION ATTEMPT AGAINST KADYROV

このところカフカスキー・ウーゼルなどのウェブサイトで、チェチェン親ロシア派の大統領ラムザン・カディロフに対する暗殺未遂事件があったという知らせが続いていた。さまざまなバージョンの情報が入り乱れていたのだが、基本的にはボディーガードの1人または2人が、かなり近いタイミングでカディロフをピストルで銃殺しようとしたが、弾がそれたというものだった。

RIAなどではカディロフ自身が発言をしているので、生きているのは間違いない模様。ただ、暗殺未遂事件自体はいつ起こってもおかしくないので、「なにもなかった」「あったがもみけした」のどちらなのかはよくわからない。今回は生き延びているものの、いつかは彼も暗殺される気がしてならない。なにしろ彼の前任のアルハノフ以外の全員、これまで5人のチェチェン大統領が暗殺されている。

「 (7/29AFP) ロシアのオンラインジャーナルRegnumによれば、7/27に、チェチェンのラムザン・カディロフ大統領(親ロシア派)に対する暗殺未遂事件が発生した。グデルメスの街での公式行事の最中、ピストルで銃撃されたという。エコー・モスクワによれば、大統領側のスポークスマンは「カディロフ大統領はヤロスラブリにいた」として、これを否定している」

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25.Jul 2008 新刊:『コーカサス 国際関係の十字路』

(廣瀬陽子著・集英社新書)

日本人がいちばん知らない地域で、今なにが起きているのか?

コーカサスは、ヨーロッパとアジアの分岐点であり、古代から宗教や文明の十字路に位置し、地政学的な位置や、カスピ海の石油、天然ガスなどの天然資源の存在により、利権やパイプライン建設などをめぐって大国の侵略にさらされてきた。またソ連解体や、9.11という出来事により、この地域の重要性はますます高まりつつある。だが、日本では、チェチェン紛争などを除いて認知度が低いのが現実である。本書では、今注目を集めるこの地域を、主に国際問題に注目しつつ概観する。

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24.Jul 2008 【復活・今日放送】テレビ朝日報道ステーション「プーチン王朝誕生の闇」

24日夜にテレビ朝日系列「報道ステーション」で放送予定の「プーチン王朝の闇」ですが、岩手沖地震のために急きょ、放送延期になりました(新聞のテレビ欄には、差し替え間に合わずに載っています)。予定が決まり次第、改めてお知らせします。予定通り放送されることになったそうです!

報道ステーションで、次の特集が放送されることがわかりました。ぜひご覧ください。また、ご意見ご感想は、次の製作会社までお寄せください。情報をお寄せくださったKさんに感謝します。

「プーチン王朝誕生の闇」7月24日(木)放送 21:54〜23:10
テレビ朝日 報道ステーション

「無名だったプーチン氏が首相に抜擢された99年、高層アパートが連続的に爆破されるという不可解な事件が起きる。プーチン首相はチェチェン人のしわざと断定、独立を目指すチェチェン共和国に猛攻撃を加えた。「強きリーダー」として人気が急上昇したプーチン氏は、翌年の大統領選挙で圧勝する。だが爆破事件は謀略だったと告発したのが、元KGB工作員リトビネンコ氏。ロンドンに亡命した彼は、二年前、放射性物質で暗殺された。彼の妻マリーナが我々に託したキーワード「リャザン」とは?疑惑を追及した記者が数多く命を落とす中、取材班は現地に潜入し、ロシア最大のタブーに挑んだ」

ご意見ご感想:(株)ジン・ネット
〒106−0032 東京都港区六本木2−2−5 ロワクレストビル7F
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20.Jul 2008 チェチェンニュース発行しました

無料のメールマガジン、チェチェンニュースを発行しました。このウェブサイトに取り上げたことや、イベント情報などをまとめたもので、メルマガ版独自のコンテンツもありますので、普段このサイトをご覧になっている方も、ぜひご購読ください。

チェチェンニュース Vol.08 No.07 2008.07.20

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17.Jul 2008 アナトーリィ・プリスターフキン死す
Anatoly Pristavkin, Russian writer and former pardons commission head, dies at age 76

第二次大戦中の孤児生活とチェチェンを描いた小説「コーカサスの金色の雲」の著者、プリスターフキンが亡くなりました。以下、AP/IHTより。プーチンのコメントがふるっています。

7月11日、作家で、1990年代を通じて大統領直属の恩赦委員長を務めたアナトーリイ・プリスターフキン氏がモスクワで死亡した。76歳だった。プリスターフキンの死はロシアの国営メディアで広く報道され、プーチン首相も哀悼の意を表明した。死因は報道されていない。

プリスターフキンは、1992年から2001年までの間、大統領直属の恩赦委員会で委員長を務めたが、プーチン大統領政権になってからこの委員会は廃止された。エリツィン時代、この委員会では人権活動家なども委員となって毎週会合を持ち、過密化した刑務所からの山のような受刑者簿を調べては恩赦の対象者を決めていた。この恩赦委員会により、9年間で7万人が刑を免じられた。

この委員会をプーチンが廃止してから、恩赦の権限は地方政府に移管され、対象者数は激減した。2004年には72人、05年には42人、06年にはわずか9人となり、07年にはついに一人もいなくなった。

プーチンは故人について、「アナトーリィ・イグナチエヴィッチは、誇り高く生き、人間性の理想を確信し、道義の勝利を実現しようとされた」と賞賛する談話を発表した。

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16.Jul 2008 [書評]廃墟の上でダンス チェチェンの戦火を生き抜いた少女は中高生におすすめ!
Milana Terlova's book for Japanese teenagers

もうじき夏休みが来るので、小さな読書家たちにはぜひこの本を読んでほしい。 チェチェンでの戦争を子どもの頃から経験し、今は遠いパリで勉強をしている若い女性の書いた本だ。だまされたと思って読み始めてみれば、きっとタイムマシーンに乗り込んだように、1994年のチェチェンの世界にいるのに気がつくはず。

14歳のミラーナは、村の学校のダンスパーティーを待ち望む平凡な女の子だ。けれどもパーティーの代わりにやってきたのはロシア軍の戦車で、その年の冬に第一次チェチェン戦争が始まろうとしていた。

胸が締め付けられるようなエピソードをたくさん交えながらも、この本には、チェチェンでの戦いを見て生きながら、絶望せず、何かよいものを作っていこうとする若い芽がある。まだ戦争を知らない日本の若い人たちに、ぜひ読んでほしい。一人でもこの話に心を打たれる人がいるかぎり、ミラーナの努力は無駄ではないと思うからだ。

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08.Jul 2008 英MI5、「リトビネンコ暗殺はFSBの犯行」とふたたび情報リーク
BBC: Russia 'backed Litvinenko murder' - Whitehall sources

産経新聞記事より:

【ロンドン=木村正人】英BBC放送は7日、英対内情報部(MI5)幹部の話として、2006年11月、プーチン前政権を批判していたロシア連邦保安局(FSB)元幹部、リトビネンコ氏が毒殺された事件にロシア政府が関与していたことを強く示す証拠があると伝えた。

この幹部はBBCに、「毒殺はFSBによって実行されたが、通常、FSBに認められている海外の作戦より広い裁量が与えられていた」と証言。昨年6月、プーチン前大統領と敵対して英国に亡命した政商ベレゾフスキー氏の暗殺を企てたとしてロンドン警視庁がロシア人の男を逮捕していたことも明らかにした。男は強制送還された。これもFSBの作戦という。

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03.Jul 2008 「イングーシにおける「汚い戦争」の停止を」HRW報告書を発表
Russia: Stop ‘Dirty War’ Tactics in Ingushetia - HRW report

国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチが、チェチェンから北コーカサスに広がりつつあるロシア側の人権侵害の実情を強く批判するレポートを発表しました。本体は120ページに及ぶ大部なものですが、紹介文に内容がコンパクトにまとめられているので、こちらをご一読ください。翻訳してくださった藤沢和泉さん、ありがとうございます。

(以下引用)ヒューマン・ライツ・ウォッチは今日発表したレポートの中で、チェチェンの軍事紛争は北コーカサス、特にイングーシに人権侵害と不安定を拡散させていると報告した。ヒューマン・ライツ・ウォッチはロシア政府に対し、チェチェン紛争で行われているようなおぞましい虐待にまで状況が悪化しないよう、この対ゲリラ戦の遂行方法を改善し、イングーシでの違反行為が取り締まられていない問題に取り組むよう強く主張した。

ロシアはイングーシでここ数年、政府の転覆や、地域に駐留する[ロシア]連邦の治安部隊・軍隊の撤退、北コーカサスにおけるイスラム統治の拡大などといった雑多な要求を掲げるいくつもの武装グループと闘ってきた。2007年の初夏、ゲリラは役人や法執行人、治安職員などを攻撃し、一般市民も一斉に立ち上がった。こうしたゲリラ活動の高まりに対して、法の執行機関や治安部隊などは、ゲリラの容疑者を拉致監禁という形で連れ去っている。拉致された者は拷問されるのが普通だが、時には「失踪」する。イングーシにおける拉致監禁と殺害は、以前のチェチェンで見られた汚い掃討作戦や急襲のパターンによく似た「特殊作戦」の間にしばしば起こる。武装した人員が指示を受けた地域にやってくる、多くの場合は覆面をつけて。彼らは住民に作戦に関して何の説明もせず、勝手に家に入り込み、住民を殴り、彼らの財産を破壊していくのだ。

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29.Jun 2008 [メディア時評]新体制ロシアをどう見たか
the Russian new regime - Japanese media's analysis

5月7日にドミトリー・メドベージェフがロシア新大統領に就任して1か月以上がたった。「新体制」発足にあたって日本の各メディアはこれをどう評価したのか。また、チェチェン問題はどう扱われていたのか。新聞の論説を追ってみた。

結論から言えば、各紙の論調はどれも一律で、メドベージェフ/プーチンの「二頭体制」を懸念しつつ、今後は汚職の一掃と国際協調を願う、という(つまらない)ものであった。確かにプーチンはそのまま権力の座に事実上とどまりつづけ、二頭体制という不安定な政権が確立したことは憂慮すべきことである。汚職や欧米との関係を改善していくことは重要だし、必要なことに違いない。

しかし、たくさんある問題の中でいくつかをとりあげる場合、こうした価値序列が一律化してしまうことには疑問を持たざるを得ない。近年のロシアの経済的躍進によって、各紙が着目するのはビジネスの発展や欧米との関係ばかりで、チェチェンをはじめとする連邦内共和国の事情はほとんど無視されている。民族問題などもはやどこにもないと言わんばかりである。

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26.Jun 2008 難民映画祭にて「アンナへの手紙」
"Letter To Anna" on Refugee film festa

アンナへの手紙

ドイツ文化センターで、アンナ・ポリトコフスカヤ殺害に関するドキュメンタリーが上映されます。国内初にして1回限り上映というレアな機会なのですが、悲しいかな仕事で行かれない人が多いと思われます。NHKあたりで放送しないのでしょうか?未見ですが期待しています。

2006年10月7日、プーチン大統領54歳の誕生日、ロシア政権を最も厳しく批評していたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤはモスクワの自宅で暗殺される。弱者擁護の彼女はなぜ無念の最期を迎える事に?何千人もの流出を生み出しているチェチェンでの軍事政策を公然と非難したからだろうか?そしてその犯人は処罰を受けるのだろうか?

原題: Letter To Anna 監督:エリック・バークラウト スイス(2008) 音声:英語・ロシア語 字幕:日本語 83分 ジャンル:ドキュメンタリー p.s. 72 productions

* 6/26 (木) 17:30 ドイツ文化センター

難民映画祭公式サイト

20.Jun 2008 アンナ暗殺 実行犯逃走でも捜査終結
Politkovskaya Investigation Closed; Three Suspects Charged

アンナ・ポリトコフスカヤ追悼の写真

毎日新聞の記事より。あいかわらずいいかげんな捜査をしているようです。どうしてもメスを入れたくない真相があるということだと思います。

なお、難民映画祭では、アンナ・ポリトコフスカヤについての映画が上映されます。彼女が生きていた時も今も、彼女の向こうに私たちはチェチェンを感じていると思います。

<ロシア>記者暗殺の3容疑者起訴実行犯逃走でも終結宣言

ロシア最高検察庁の捜査委員会は18日、モスクワの自宅アパートで06年10月に射殺されたアンナ・ポリトコフスカヤ記者の暗殺事件にかかわったとして容疑者3人を起訴したと発表した。また、同委は捜査の終了を宣言した。

起訴されたのはモスクワの元警察官1人とチェチェン出身の兄弟2人。3人がどう事件にかかわったかは不明。ロシア各紙の報道によると、射殺の実行犯とされるチェチェン人の男は逃亡中。また、暗殺を指示した最大の黒幕が誰かは解明されておらず、19日付のブレーミャ・ノボスチェイ紙は「捜査の終結宣言は実態と懸け離れている」と批判した。

続きを読む:<ロシア>記者暗殺の3容疑者起訴 実行犯逃走でも終結宣言[毎日新聞 6/19]

参考までにこちらも: 繰り返される嘘―ポリトコフスカヤ殺害犯逮捕を読む

18.Jun 2008 チェチェンに行く前にこれを読もう!「見えないアジアを歩く」刊行!
Hayashi Masaaki's New Chechen book "Working around Invisible Asia"

ジャーナリストの林克明さんが、執筆し、3年近く前に発行されるはずだった 本が、ようやく日の目を見ました。 (何社か出版社がつぶれたりするという笑えない事情があります。以下出版社からのご案内。

カレン、スリランカ北東部、アチェ、ナガランド、チェチェン、チッタゴン丘陵、イラク……。外務省が「退避を勧告します」「渡航の延期をお勧めします」などと警告している地域ばかりを集めたディープな「紛争地」ガイド。

 アジアには、その国の人でさえ越えられない見えざる線が多く引かれている。見てはいけない、行ってはいけないとされる地の知られざる現実と魅惑の世界をたっぷりお伝えする渾身の案内書。バックパッカーも未踏の地はまた、豊かな自然や伝統が息づく人びとの暮らしがあることを、この本が教えてくれる。

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16.Jun 2008 東欧のチェチェン難民
Chechen refugees in Eastern Europe

去年12月のシェンゲン協定地域の拡大(東欧諸国国境のEUへの統合)で、在外チェチェン難民の多くが「フランスに逃げたい」と思ったものの、うまくいかず、結局ポーランドに閉じ込められている例が多いようです。

少し古い記事ですが、AFPがキャンプに取材した記事がありましたので、お届けします。日本にもチェチェン難民がやってくるという最近の事態にあわせて、私たちもいろいろ勉強しておくべきなのかもしれません。

オーストリア国境でチェチェン難民4人が逮捕された[6/4 Prague Daily Monitor]

「フレンチ・ドリーム」を追うチェチェン難民[1/24 AFP]



14.Mar 2008 チェチェンニュース発行しました

無料のメールマガジン、チェチェンニュースを発行しました。このウェブサイトに取り上げたことや、イベント情報などをまとめたもので、メルマガ版独自のコンテンツもありますので、普段このサイトをご覧になっている方も、ぜひご購読ください。

チェチェンニュース Vol.08 No.04 2008.06.14

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13.Mar 2008 キルバッソワさん、フィンランドで強制送還の危機にElderly Activist's face deportation

96年にチェチェン戦争の平和的解決を訴えて来日した、ロシア兵士の母親委員会代表(当時)のマリア・キルバッソワさんが、娘さんを頼ってフィンランドに渡ったものの、現地の当局から退去を強制されていたことがわかった。

 現地紙などの報道を総合すると、2007年10月、フィンランド国籍を持つ娘のソイツさんを頼って、キルバッソワさんはロシアからフィンランドに渡航した。この時点で何らかの病気をわずらっている。  

フィンランド当局に居住許可を求めたものの却下され、ついに強制送還の処分が決まった。そこでフィンランドの裁判所に処分の取り消しを求めて訴訟を起こしたのだったが、6月10日に出た結論は強制送還の1週間猶予というものだった。

 この動きに対して、隣国エストニアでは与党国会議員がフィンランドの措置に激怒。「ポリトコフスカヤにあんなことをした国に送還するなどもってのほか」としたうえ、フィンランドからの退去が実際に起これば、エストニアで難民認定させると息巻いている。

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11.Mar 2008 ヨーロッパ人権裁判所は、チェチェン人の最後の希望−EUは判決を活用して人権侵害の根絶を
European Court Last Hope for Victims France, EU, Should Use Rulings to End Abuses

ヒューマンライツ・ウォッチなどの人権団体が、これまで31件にのぼるチェチェン問題に関するロシアの責任を認めた判決の活用についての声明を出しました。これによると、ヨーロッパ人権裁判所での判決は、個々のケースでの補償をすればよいのではなく、同様の人権侵害が発生しないように、ロシア国内での努力がされなければならないという考え方に基づいて出されているようです。それはそうであってくれないと困りますよね。

そこでHRWなどの人権団体は、次期EU議長国のフランスに対して、今までの判決を<活用>すべきだと提言しています。

 「継続的な政治的圧力がないために、ロシアはチェチェンでの虐待をやめようとしないだけでなく、これらの犯罪の責任者たちを裁こうとしていない」と、HRWパリ支部長のファーデアウは語った。「ECHRの判決の履行とは、個々の原告に正義を配達することではなく、虐待した人間への不処罰を終わらせることだ。グローズヌイの復興によって、EUがミスリードされることはあってはならない。虐待は続いているし、数千人の強制失踪者は今も見付かっていない」

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10.Jun 2008 移転の危機に瀕している強制移住記念碑
Relocation of Chechen 'genocide' memorial opens wounds

「彼らはすこしづつあの碑を刻んでいったのです。今、碑はあそこにあるのだから、動かさないのが一番です。記念碑というものは誰か個人に属するものではありません。歴史も、書き換えるべきものではないですから」と、グロズヌイのインテリは言うが、チェチェン民族の強制移住記念碑の移転工事が進んでいる。

移転先はなんとロシア軍基地の内部。「ハンカラとは最高にいい場所だって、みんな言ってます」と、人権団体のスタッフが言う。

人々の容易に立ち入ることができない軍の基地の中に記念碑が移動されることは、歴史の隠蔽というものではないだろうか。それ以上に、チェチェン人に対するジェノサイドの記念碑が、現在もチェチェン人に拷問を加える施設を擁する軍の基地に移動されることの皮肉。AFP記事の訳です。(大富亮)

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あ、それから、激化するアブハジア危機で、EUがソチオリンピックへの対応をほのめかし始めていた。このてのニュースは速さが命、とは言えど気になったのでメモ的に訳してみて追加。

アブハジア紛争問題、ソチオリンピックに影響か? EUの外交活動活発化(モスクワタイムス)

5.Jun 2008 6月下旬、難民映画祭にて「アンナへの手紙」
"Letter To Anna" on Refugee film festa

アンナへの手紙

今月開かれる難民映画祭で、下記の映画が上映されるという情報がありました。ぜひご覧下さい。

2006年10月7日、プーチン大統領54歳の誕生日、ロシア政権を最も厳しく批評していたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤはモスクワの実家で暗殺される。弱者擁護の彼女はなぜ無念の最期を迎える事に?何千人もの流出を生み出しているチェチェンでの軍事政策を公然と非難したからだろうか?そしてその犯人は処罰を受けるのだろうか?[*邦題は仮訳であり、正題は原文となります]

原題: Letter To Anna 監督:エリック・バークラウト スイス(2008) 音声:英語・ロシア語 字幕:日本語 83分 ジャンル:ドキュメンタリー p.s. 72 productions

* 6/26 (木) 17:30 ドイツ文化センター

難民映画祭公式サイト

30.Mar 2008 リトビネンコ事件で英露治安機関の対立続く。FSB幹部が英当局の謝罪要求

リトビネンコ暗殺事件で英露治安機関の対立が依然、厳しい。ロシア治安機関の要『FSB(連邦保安局)』高官はこのほど事件解決を前進させるには英側がまず謝罪するのが筋と改めて厳しい対決姿勢を強調した。[aviationnews 5/28]つづきを読む

29.Mar 2008 アムネスティ年次報告書、中・露・米が焦点
Amnesty highlights racism in Russia, Chechnya rights violations

アムネスティのロゴマーク

まだ日本語訳は刊行されていないようなのですが、アムネスティの年次報告で、ロシアへの言及がありました。以下、CNNの報道です。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは28日、398ページの年次報告書を発表した。...強権姿勢を強めるロシアについて、アムネスティは反体制派へのより寛容な対応を求めている。ロシア当局は批判勢力を「非愛国的」と決め付けて厳しく取り締まり、昨年12月の下院選挙前を中心に、人権や政治活動の権利を弾圧した。欧州人権裁判所は、ロシア当局がチェチェン紛争絡みの誘拐事件や拷問、裁判なしの死刑執行に関与しているとの判断を示した。

チェチェン共和国では昨年、誘拐事件の通報が前年より減少した。しかしアムネスティによると、人権侵害が続いているため、住民は被害通報に消極的だという。 [5/28 CNN]

[5/28 amnesty international]

RIAノーボスチなど、ロシア系通信社も反応しています。[5/28 RIA Novosti]

13.Mar 2008 「暗殺リトビネンコ事件」、川越と札幌で上映中!"the Litvinenko Case" screen at Kawagoe and Sapporo

必見の超傑作ドキュメンタリー、「暗殺リトビネンコ事件が、川越スカラ座と、スガイシネプレックス札幌劇場で上映中です。川越の上映は5月23日まで。お見逃しの方は、この機会に、ぜひご覧下さい。

上映情報

15.May 2008 NHK総合「言論を支配せよ〜“プーチン帝国”とメディア〜 」

NHK番組の画像

この番組についての感想を、何人かの方からいただきましたので、掲載します。こちらをご覧下さい

5月、ロシアに8年間君臨したプーチン大統領が退任する。 しかしプーチンは、退任後も首相として政権内に止まることを明言。“後継大統領”メドベージェフ氏の選挙スローガンは「何も変えない」だった。今後も実質的な支配者はプーチンであることを明確に示した形だ。“プーチン王朝”盤石の秘密は「メディアに対する徹底的な支配」。就任後、3大テレビ局をすべて国有化し、プーチン=強い指導者像を徹底的に演出した。その姿は、冷戦後自信を喪失していた国民の心をつかみ、さらに今、国民がそこにロシア伝統のツァーリ(皇帝)の姿を重ね合わせ、熱狂的なプーチン支持の渦を加速させている。

一方、独立系ジャーナリスト達は、今回の権力継承が「ロシア民主主義の死」を招くと必死に訴える。しかし、大国復活の夢に酔い、メディアに煽られた国民が、彼らの声をかき消す厚い壁となっている。権力がメディアを掌握した国家で何が起きているのか。その最前線から「院政プーチンのロシア」の実像に迫る。

2008年5月14日(水) 深夜 【木曜午前】0時55分〜1時44分 総合テレビ

再放送予定

24.Apr 2008 カディロフとロシア政府の対立? ヴォストーク連隊襲撃事件
Yamadaev vs. Kadyrov: The Kremlin's Quandary with Chechnya

4月14日、チェチェンのカディロフ大統領(親ロシア派傀儡政権)の 指揮下の部隊が、別の親ロシア派であるヤマダエフの指揮する 「ボストーク連隊」と小競り合いを起こし、 10数人の死者を出す事件があった(民間人2人が巻き添えに)。

かねてヤマダエフとカディロフの確執は伝わっていたが、 今回はややおおごとになっている。 ボストーク連隊はロシア軍の悪名高い第42部隊の一部で、 チェチェン人で構成されているが、 2007 年5月のアムネスティの報告の中でも、 同じチェチェン人への人権侵害を行なっている部隊として非難されている。

カディロフもヤマダエフも、やっていることは同じということだ。 今回カディロフは、ヤマダエフ派を襲撃するのに先立って、 第42部隊の参謀長(ロシア人)を検問所で拘束して、 手出しができないようにしたことから、ロシア軍の怒りを買った。 カディロフを「飼って」いるのは軍ではなくFSBの筋かもしれないが、 こういう計算違いをしてしまうと、ロシアすべてを敵に回してしまいかねない。

カディロフはロシアと戦うつもりなのか? あるいは、単に暴れたいだけの若者が、また暴発してしまったのか? この件、もう少し調べて報告したい。(大富亮)

チェチェン:大統領、露軍と対立 銃撃受け少女2人死亡[4/24 毎日新聞]

ロシア南部・チェチェン共和国のカディロフ大統領が、同共和国に駐留する露連邦軍直属の精鋭部隊「ボストク」と対立、緊張が高まっている。5月のプーチン露大統領退任を前に、カディロフ大統領が治安組織の完全掌握を狙っているとの観測もある。混乱が続けば「チェチェン情勢正常化」を訴えてきたプーチン政権にとって痛手となりそうだ。

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GOOD NEWS! 15.Apr 2008 新刊「廃墟の上でダンス〜チェチェンの戦火を生き抜いた少女〜」
New Chechen book released: "Dancer Sur Les Ruines" by Milana Terloeva

書籍画像:「廃墟の上でダンス」

1994年12月、14歳の少女は、村恒例のダンスパーティーを心待ちにしていた。しかしそのパーティーは開かれなかった。始まったのは、戦争だった――。チェチェン紛争、廃墟と化した街で少女が"ありのまま"を綴った手記。

著者のミラーナ・テルローヴァは、79年生まれの若いジャーナリストです。チェチェン戦争をリアルタイムに経験した若い世代が何を感じてきたのかが、玄人ずれしない描写の中でわかります。16歳、空爆の地下壕で肩を寄せあう人々のなかにいたミラーナ。人々のために抵抗を続けたレジスタンスたち。休戦期にもろくも挫折した独立への夢・・・。

世界から見捨てられたことを痛切に感じさせられながら、感受性を失わずに生きた女性の物語です。

「悲惨より喜びの方がわずかに、でもゼッタイに、勝っている」(池澤夏樹さんによる帯)

彼女のような若い書き手によって、これからのチェチェンはどのように語られるのでしょうか。彼女の原点となる一冊、ぜひお読みください。

くわしくはこちら

11.Apr 2008 サマーシキ村虐殺事件から13年
13 years ago in Chechnya, Russian militaries massacred residents of Samashki village

1995年の4月、ロシア軍はチェチェンのアチホイ・マルタン地区のサマーシキ村を包囲し、「掃討作戦」を行なった。非武装の住民たちが、レイプや虐殺の被害に遭った。いくつかの現地のNGOや著名人が、グローズヌイで会議を開くほかには、現在のチェチェン当局(カディロフ傀儡政権)は、この事件を記念するいかなる公式行事も行なっていない。

ヘルシンキグループなど、ロシアの人権団体のサイト「コーカサスの結び目」からの、記憶のための報告です。

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04.Apr 2008 在日チェチェン難民の遺体を家族に届けるためのお手伝いをしてくださった皆様へ
To Those Who Are Related

おかげさまで、4月4日、私たちは、彼の遺体を東京からモスクワに送り、無事に遺族に届けることができました。遺族は、すでにチェチェンに入っており、本日から葬儀が行なわれます。まずは、彼の遺体をチェチェンに届けるために寄付をくださった皆様、呼びかけをしてくださった皆様に、心から感謝を申し上げます。

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29 Mar 2008 明日、バイエフ送別会と在日チェチェン難民追悼会

日本政府に難民認定を求めていたチェチェン人の青年が千葉の病院で死亡しました。たった28歳でした。多臓器不全で、最後まで原因がわかりませんでした。

「生きていればきっといいことがある」という月並みな言葉は的を得ていると思いますし、少なくとも私はそう信じて生きていきたいですが、彼にはそれすらできなくなりました。

彼と日本に関わるもっとも大きな問題は、難民認定が最後まで得られなかったことです。来日した最初の日々に難民認定を申請したのに、まる2年間返事が得られず、その間は健康保険にすら入ることができませんでした。

将来がわからないということ、病院にもろくに通えないこと、教育を受けるチャンスもないこと・・・私がもし難民だったら、彼ほどにもやっていけないかもしれません。

明日、30日(日)13:30より、文京区でハッサン・バイエフ医師の送別と彼の追悼を兼ねた会を開きます。ぜひご参加ください。案内はこちらです。

渡辺紀子さんが亡くなったこと、今度の彼のこと。私事ですが私の家族にも近年不幸があったこととも重なって、どうして人は次々と居なくなってしまうのだろうと考えてしまいます。チェチェンの人たちは、もっと理不尽に身近な人の命を奪われていて−−−それは現在の「平和の回復する」チェチェンの中でも、見えにくいところで続いています。

どこにいようと、私たちは死ぬ存在ですし、たったひとつの大事な命を抱えて生きていく存在ですから、理不尽さや悲惨さが、命の値打ちを上げ下げするわけではないですね。ただ、どれだけ遠くても、同じような人々が生きているということへの想像力を、枯れさせずに生きていきたいと思います。それも、私たちが一緒に何かをしていくための基点になるのではないでしょうか。

さてこのサイト、このところ更新が少なかったのですが、これからはもう少し頻度を上げていこうかと思います。情報などもお寄せいただければ幸いです。

ところで寺沢潤世上人関連の情報です。お弟子のセルゲイから追悼文も寄せられましたので、とりあえず貼り付けます。寺沢上人はいま、インドで修行中とのことです。こんな時に日本にいてくださったら、ありがたいのにと思います。(大富亮)

Namu-Myo-Ho-Ren-Ge-Kyo!

On behalf of Ven. Terasawa Junsei and myself we are expressing our deep condolencies and regret on the so sadden and greatly sad demiss of the chechenian boy in Japan. It is a huge loss for all of us, for all who knew him. Same time, he remains always in our memory in lots of happy occasions when we were together...

Our prayers now are always for him!

Terasawa-Sensei is for last 4 months traveling deeply alone in West part of India for a special spiritual practice and important work. So, he was not much e-mail communicable for a long time but via me he is getting all latest news. It is also possible to reach him directly through his mobile: +91-98-71741584.

With respect,

Sergiy Korostelov, Kyrgyzstan

05.Mar 2008 「DAYS JAPAN 4周年記念イベント」に参加しよう!
Get Involved in DAYS JAPAN's 4th Anniversary

世界の戦争や紛争、人権侵害、自然破壊を監視する硬派なフォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」の創刊から4年が経ちました。毎年(毎月?)のように廃刊の危機が噂されているDAYS JAPANを支えるために、よろしければ皆様のご参加をお願いいたします。イベントでは、第4回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞受賞作品が発表されるほか、参加者による読者賞の選定や、「AINU REBELS」酒井美直さんによるアイヌの歌・舞踊のパフォーマンス もあります。

DAYS JAPANの購読はこちらから

日時:3月8日(土)18:30開演(18:00開場)
場所:東京ウィメンズプラザ
アクセス:JR山手線・東急東横線・京王井の頭線「渋谷」駅下車徒歩12分/地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道」駅下車徒歩7分
地図: http://www.tokyo-womens-plaza.metro.tokyo.jp/contents/map.html
入場料:800円
予約:住所・氏名・電話番号を明記の上、メール(kikaku@daysjapan.net)またはFAX(03-3322-0353)でお申し込みください

22.Feb 2008 戦場の医師ハッサン・バイエフ−チェチェン戦争の傷跡と子どもの医療支援
Khassan Baiev Speaking Tour in Tokyo

ロシア南部のチェチェン共和国では、1994年から14年近く続くロシアの軍事侵攻により、100万人の人口のうち25%が死亡し、30%が難民となって多くが国外に逃れました。

世界でもっとも悲惨な戦争を目の当たりにしながらも、医師の倫理、ヒポクラテスの誓いを忠実に守って、敵味方を区別することなく多くの人びとの生命を救った外科医、ハッサン・バイエフ医師が講演します。

今、バイエフ医師は、移住地アメリカとロシア・チェチェンを頻繁に行き来して、荒廃したチェチェン国内の医療環境を改善しようとしています。今回のスピーキングツアーでは、いわき、仙台、東京、水戸、札幌、京都、大阪、山口の各地で、医療危機に直面するチェチェンの子どもたちの様子を報告します。

チェチェンを知り、子どもへの医療を再建するために、どうか皆様のご参加をお願いいたします。

日時:2008年2月24日(日) 18:00-20:30 (17:30開場)
場所:文京区民センター2A会議室
交通:地下鉄丸ノ内線・南北線「後楽園」駅徒歩5分/地下鉄三田線「春日」駅A2出口真上・大江戸線「春日」駅徒歩1分
地図: http://www.city.bunkyo.lg.jp/gmap/detail.php?id=1754
参加費:1000円
定員:250名
共催:ハッサン・バイエフを呼ぶ会/チェチェン連絡会議/アムネスティ・インターナショナル日本
申込:事前のお申し込みはご不要です。
問合・申込先:TEL: 03-4500-8535 Fax:03-3811-4576 Mail:baiev@zau.att.ne.jp(ハッサン・バイエフを呼ぶ会 岡田)

12.Feb 2008 佐藤正久(元イラク先遣隊長)の闇を照らす
Lighten the darkness of Sato Masahisa

行動するための講演&シンポジウム「佐藤正久(元イラク先遣隊長)の闇を照らす」

2月17日(日) 13:30-16:40
神宮前穏田区民会館 渋谷区神宮前6-31-5 JR原宿駅6分

2月17日(日)に行われる集会「元イラク先遣隊長・佐藤正久の闇」の準備をしているのですが、このところ何度も繰り返し、10年以上も前のある夜を思い起こされてしかたがありません。

●ある夜の葛藤

あれは1995年10月2日のことだったと思います。私はそのとき、ロシア連邦南部のチェチェン共和国の首都にいました。当時、ロシアからの独立を宣言したチェチェンにロシア軍が侵攻して大殺戮を繰り広げていました。大爆撃と地上戦で破壊され全市が停電していたので、泊めてもらった民家はロウソクの灯りしかありませんでした。食べ物もなく、空腹だったのを覚えています。ロウソクの炎を眺めながら、私は、ある村へ行こうか行くまいか迷いに迷ってっていました。

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09.Feb 2008 チェチェン:NGOを閉鎖せよ
Attempts Made to Close down Chechen NGO

最近更新が滞っていてすみません。チェチェンではつねに理不尽なことが起こっているのですが、そのうちの一つに市民運動へのすさまじい弾圧があります。今回は、チェチェンとイングーシの人権状況を社会に訴えている「非政府組織連合」というNGOを、当局が因縁をつけて閉鎖しようとしているニュースをお伝えします。

「ロシア連邦登録局チェチェン支部は、非政府組織連合―チェチェンとイングーシの人権状況を社会に訴えている団体―を閉鎖しようとしている。非政府組織連合は、当初、運営に関する不正が多くあったとして告発されたのだったが、その後、『民族間の不和を煽った』罪がそこに加わった」

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31.Jan 2008 報告:K.バイエフ医師来日記者会見
Khassan Baiev Press Conference in Japan

 本日、ハッサン・バイエフ医師が来日し、東京・春日で記者会見を行いました。取材に入ってくださったのは、読売新聞、朝日新聞、信濃毎日新聞、時事通信、あけぼの編集部、ロシア語通訳の方々です。以下に記者会見の内容をお伝えします。

 「まず私の招聘に携わってくださった実行委員の方々に感謝を申し上げたいと思います。日本を訪れてから約一年が経ったわけですが、その一年間で大きな変化が起こっています。日本を前回出国してから医学にまた戻ったといいますか、できる限り医療の世界に戻るための活動を行ってきました。やはり戦争というのは、戦争そのものだけでも悲惨なものですが、それがもたらす惨禍をどうにかしたいと思ったからです」

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25.Jan 2008 MSF「2007年10の最も報じられなかった人道的危機」
MSF Special Report "The 10 Most Underreported Humanitarian Crises"

国境なき医師団(MSF)が、2007年を通じて世界で最も注目を浴びず、報道されることの少なかった人道的危機ワースト10のリストを発表しました。チェチェンは2000年から8年連続でランクイン。つまり、もう8年以上もの間、世界の関心の外側に置かれ続けているわけで、本当にやりきれなくなります。

「今回取り上げた国・地域や背景が、アメリカ3大テレビネットワークの毎晩のニュース番組で取り上げられた時間は、2007年1月から11月までを合計しても、わずか18分間にすぎませんでした。中でもチェチェン、スリランカ、中央アフリカ共和国についての報道は皆無でした」

チェチェンの他には、ビルマ(ミャンマー)やコロンビア、コンゴ民主共和国、ジンバブエ、スリランカ、ソマリア、中央アフリカ共和国などが「2007年10の最も報じられなかった人道的危機」に選ばれています。

「北コーカサス地方のチェチェン共和国において、ロシア政府と反政府勢力の間で起きた最も激しい戦闘が収束してから4年近くが過ぎた。近隣のイングーシ、ダゲスタンの両共和国へ避難した数十万もの国内避難民はチェチェンに帰還している」

「拉致、消息不明、暗殺、爆撃がイングーシ、北オセチア、ダゲスタンの各共和国で続いている。チェチェン国内では、一般市民にとって治安状況は現在でも不安定である。危険は、散発する銃撃戦に巻き込まれることから重装備の軍用車両による交通事故にまでわたり、最近では後者が外傷を負う原因となることが多い」

「基礎医療、特に産科と婦人科の医療が非常に不足しており、たとえ医療が提供できる場合でも、帰還して貧困にあえぐ多くの人びとの手には届かない。グロズヌイ市内や周辺の診療所で、国境なき医師団(MSF)と現地のチェチェン人医師は、これらの地域に住む人びとに肺、腎臓、循環器疾患などの慢性疾患が高い確率で見られるのを目の当たりにしている」

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24.Jan 2008 K.バイエフ医師来日記者会見のお知らせ
Khassan Baiev Press Conference in Japan

1月31日、戦場のチェチェン人医師、ハッサン・バイエフ氏が再来日し、東京・春日で記者会見を開きます。バイエフ氏は3月いっぱいまで日本に滞在し、日本の形成外科医療の現場を見学するとともに、チェチェンの最新状況を伝える報告会を全国各地で行います。記者会見では、チェチェンから帰国したばかりのバイエフ氏が、医療危機に直面する現地の子どもたちの様子を報告します。R.カディロフ政権下のチェチェンで、今、何が起こっているのか?報道関係者の方はぜひご参加ください。

日時:2008年1月31日 午後3時
場所:文京シビックセンター4F 会議室B
予約:参加を希望される方はbaiev*zau.att.ne.jp(ハッサン・バイエフを呼ぶ会)までメールにてご連絡ください(「*」を半角@に置き換えてください)。

プレスリリースはこちら

K.バイエフ氏のプロフィール

(1963−)外科医、柔道家。チェチェンの首都グロズヌイ郊外、アルハン・カラ生まれ。1977年ソ連邦ジュニア柔道大会で優勝し、以後多くの柔道大会にて金メダルを獲得。1985年クラスノヤルスク医科大学卒業。1988年チェチェンに帰国し、首都グロズヌイにて形成外科医として医務につく。1994年ロシア−チェチェン戦争の勃発とともに、野戦外科医として活躍。敵味方を区別しない医療活動のために、ロシア連邦軍とチェチェン過激派双方から命を狙われる。2000年米国へ亡命、同年11月米国NGOヒューマンライツ・ウォッチから「2000年人権監視者」の栄誉を受ける。著書に「誓い チェチェンの戦火を生きたひとりの医師の物語」(2004年アスペクト刊)がある。

K.バイエフ氏からの現地報告(2006年9月)

20.Jan 2008 「腐敗の告発者が殺された」〜ロシアの暗闇にカメラが沈む
Killed For Seeking and Speaking the Truth: "Rebellion: The Litvinenko Case"

・・・監督がいう「告発」は、1998年、リトビネンコたちが、暗殺と収賄が日常化していたFSB内部の腐敗を暴露する記者会見と、それに先立ち撮影したインタビューのビデオをさす。インタビューには、後に袂をわかった上司のグサクも同席していた。

「98年のあと、サーシャ(※リトビネンコの愛称)を除いて、あの場に居合わせたものたちは、自分が語ったことを否定していきます。サーシャひとりが、組織に対する告発を正しかったと、立場を曲げなかったわけです。あの会見に参加して、誰も得をした者はいなかった。経済的なことはもちろん、ロシア国内では、モラルの面でも彼らは非難を受けたわけです。だから、グサクにしてみれば、自分のいまの立場を正しいものと捉えている」

「恐ろしいのは、ロシアの人たちがこの映画を見たとき、グサクの考えに同感してしまうことです。たぶん、彼がいちばんマイナスに見られたとしても、サーシャによってだまされた、愚かな犠牲者として見られることでしょう。多くは、チェチェン戦争を戦い抜いたヒーローとして彼を見、臆病者のリトビネンコとは違うのだと見るでしょうね」

「発言を撤回した人たちのことを、サーシャは、『戦車の前に立ちはだかって、戦車に轢かれた兵士』に例えていました。彼らが臆病だから、発言を撤回したのではなく、国が彼らを押し潰したのだと」[日経ビジネス 1/17,18]

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18.Jan 2008 アレクサンドル・コピロフ記者の強制送還に反対の声を!
Get Involved! Request to Stay the Deportation of Mr Alexander Kopylov

Iさんからいただいた情報です。カナダのトロントで難民申請中のロシア人ジャーナリスト、アレクサンドル・コピロフ氏が、1月23日(水)にもロシアに強制送還されようとしています。コピロフ記者は、プーチン政権を直接的に批判し、多くの政治活動に参加してきたため、ロシアに強制送還されれば、ほぼ確実に人権侵害にさらされ、最悪の場合は暗殺される危険性もあります。

以下に、トロントの執行当局にコピロフ記者の強制送還の停止を求めるオンライン署名があります。下の"Click Here to Sign Petition"というボタンを押して、"Name"(名前)と"Email Address"(メールアドレス)を入れて、"Preview Your Signature"(署名を確認する)→"Approve Signature"(署名を送る)というボタンを押してください。

http://www.petitiononline.com/kopylov/petition.html

署名自体は30秒もかかりません。どうかみなさまのご協力をお願いします。

署名の内容(日本語訳)はこちら

12.Jan 2008 YES or NO? 2月に始まる核再処理
The Rokkasho Reprocessing Plant Preparing For Its Full Operation in Feb

本日発売の『週刊プレイボーイ』に掲載された、青森県・六ヶ所村の核燃料再処理工場についての記事を紹介します。著者はフリー・ジャーナリストの稲垣收さんです。写真が多く、とてもわかりやすい記事なので、ぜひ本屋やコンビニでお手に取ってみてください。

チェチェン戦争がこれほどまで長引いている理由の一つは、ロシアがチェチェンの石油とパイプラインを自国の支配下に置いておきたいからだと思うのですが、石油に代わるエネルギーが原子力だとすれば、人の命はどこまでいっても軽く扱われてしまう気がします。(邦枝)

Yes or NO? 2月に始まる核再処理 [週刊プレイボーイ 1/12]

静かな湖沼と森に囲まれた青森県六ヶ所村。ここには今、世界でも類を見ないほど多くの核関連施設が集まっている。ウラン濃縮工場、使用済み核燃料再処理工場、MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、さらに隣村にも原発が2基。

なかでも市民グループや有識者が最も懸念しているのが、2月から本格稼動予定の核燃料再処理工場だ・・・

つづきを読む

関連サイト:ストップロッカショ.jp

関連サイト:『六ヶ所村ラプソディー』〜オフィシャルブログ



06.Jan 2008 なぜプーチンはロシアで人気が高いのか
Why Does Putin Have High Approval Rate in Russia?

 最近、友人から質問を受けました。「プーチン大統領のロシアでの支持率は8割、プーチン政権下でロシアの経済は花盛り、ロシア国民に大国のプライドを取り戻させた指導者だから人気が高いとCBSドキュメントでやってたけど、ホント?日本では、プーチン政権 は問題点が色々あって独裁的、みたいな情報をよく耳にするので、そんなに人気があるなんて知らなかった。その番組では、『国民の関心は経済の安定にあって言論の自由にはない』とも言ってたし」というものです。

 年末のTIME誌でもプーチンは「今年の人物」(Person of the Year)に選ばれましたね。(その表紙には「ウラジーミル・プーチン、新ロシアの皇帝」という文字もありましたが……)

 たしかにプーチン大統領はロシアで人気があります。しかし、それはちょっと普通の民主主義国家で政府のトップが人気がある、人望があるというのとは、かなり違った原因があります。順番に見ていきましょう。

 稲垣 收(フリー・ジャーナリスト)

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04.Jan 2008 最近のロシア関連報道
Recent cover on Russia

N社のTさんとみなさまからいただいた記事を紹介します。いつも本当にありがとうございます。

まずは、ポリトコフスカヤの書評から。(邦枝)

『ロシアン・ダイアリー 暗殺された女性記者の取材手帳』 [婦人通信 2008年1月号]

「本書は、現代ロシアの多様な問題を取り上げているが、ハイライトはやはり、この『対テロ作戦』の犠牲者や遺族への取材、、それを踏まえた加害者・当局者との対決インタビューだ。彼女以外の主要メディアや司法は、巻き添えや報復を恐れ、沈黙するか当局に迎合している」

「04年9月の学校人質事件の後、モスクワでおこなわれたテロとチェチェン『戦争』反対集会では、彼女もマイクを握った。『チェチェンでの戦争がテロを生み、対テロ作戦がまたテロを生んでいます。戦争をやめさせるかどうかは、ここにいる私たちにかかっています』と。この日のことも(自らの発言を除き)本書には出ている」

大事にしたい『内臓感覚』、そして『焼かれる前に語れ』! [ダカーポ No.620]

『ロシアン・ダイアリー』はプーチン大統領の政策を批判したジャーナリストの遺作。

「やっぱりこういう世界ってあって、それはロシアだけじゃないだろうと。金大中事件の際に日韓両政府がどう動いたのかを明かした『金大中事件の政治決着』や、警察の捜査の問題点に焦点を当てた『秋田連続児童殺害事件』などとも、通じるものがあります」

「軍事政権批判して」−難民のティン・ウィンさん ミャンマー情勢語る− [茨城新聞 12/3]

次は11月18日に水戸で開催されたアムネスティ集会の報告を。ビルマ(ミャンマー)の最新情報については、ビルマ情報ネットワークをご覧ください。

「(ティン・ウィンさんは)日本のODAによりミャンマーには病院や看護学校などが建設されたが、利用できるのは軍関係者だけといい、「日本がODAを出しても、貧しい国民に行き渡らない。日本政府は軍事政権の話に耳を傾けず、ODAをやめてほしい」と強調。『軍事政権を批判するよう日本政府に呼び掛けてほしい』と訴えた」

「また、ティン・ウィンさんの講演に先立ち、ノンフィクションライターの林克明さんが講演。林さんは、チェチェン戦争などを取材していたロシア人女性記者、アンナ・ポリトコフスカヤさんが暗殺された事件の背景やロシア情勢について解説した」

国家に抹殺された男の生涯 映画「暗殺・リトビネンコ事件」 [週刊朝日 12/14]

公開中の『暗殺・リトビネンコ事件』の解説も。

「映画『暗殺・リトビネンコ事件』は、ロシアのアンドレイ・ネクラーソフ監督が、英国に亡命中のロシアの政商を通して会ったリトビネンコ氏を5年にわたり取材したドキュメンタリーだ。彼はインタビューに対し、自らの行為を『反乱だ。まさに反乱』と表現した」

「監督自身、あとをつけられたりフィンランドの別荘が荒らされた。『その気になれば何でもできるという警告で、心理的に圧迫されました』」

「『やらなければならないことを霊感で感じとったら、それに向かって突進する。タルコフスキーから受けた一番の影響は、信念です』」

院政プーチン次の裏ワザ [NEWSWEEK 12/26]

プーチンが大統領後継者に指名したメドベージェフは、一般に「リベラル」派と見なされているようですが、いったい誰と比べられているのでしょうか(やっぱりプーチンですか)?そして、大統領任期満了後に首相に就任する意向を示しているプーチンには、こんな姑息な裏ワザもあるらしい?

「ガスプロムも、メドベージェフ会長の下でかなり手荒なことをやってきた。たとえば昨年、巨大石油・天然ガス開発プロジェクト『サハリン2』でのガスプロムの権益を増やすよう契約内容を変更するために、環境問題を理由に国際石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルに圧力をかけた」

プーチンには、ロシアと隣国ベラルーシの連邦国家を建設するという手もある。新しい国家を樹立して新しい憲法と新しい大統領を設ければ、プーチンはロシア憲法に違反せずに大統領になれる」

「プーチンは12月14日、ベラルーシの首都ミンスクを訪れてルカシェンコと会談した。ベラルーシの野党系ウェブサイトによれば、プーチンが連邦大統領、ルカシェンコが連邦議会議長に就任することを前提に、新連邦国家の憲法草案が作成されているという」

批判封殺 「反対派狩り」 [毎日 12/6]

12月の下院選で圧勝した与党「統一ロシア」の青年組織「若き親衛隊」が、チェスの元世界王者ガルリ・カスパロフらを標的に射撃ゲームをしているという不気味なニュースも。「過激主義防止法」の変遷は、共謀罪成立後の日本の社会を彷彿とさせる気がします。

「『若き親衛隊』は、約7万人の巨大組織だ。同組織の極東ウラジオストク支部では10月、若者らの選挙研修会で、カスパロフ氏らを標的に見立てた射撃ゲームまで行っていたようだ」

「02年成立の『過激主義防止法』はテロ阻止を目的としていたが、その後の改正で、大統領批判を封じ込める『野党取締法』に変容しつつある。選挙前、カスパロフ氏が逮捕され、5日間拘置された際の理由は『無許可デモの煽動』だった」

ロシア「対外強硬」に拍車 [日経 12/4]

12月の下院選を世界はどう見るのでしょうか?日経新聞で紹介された海外三紙の社説はこちら。

「ロシア以外でなら真に民主的とみなされる価値観を主張する少数党はあたかも国家への脅威であるかのように活動を妨害された」[英フィナンシャル・タイムズ社説 11/27]

「ロシアでは、民主主義を育成するどころではなくプーチン氏はその根を絶やそうとしている」[英オブザーバー社説 12/2]

「プーチン氏は下院選挙の国際監視団引き揚げを求めたとして米国を非難したが、選挙プロセスから法的正当性を排除したのは同氏自身である。二〇〇八年の大統領選挙ではさらにひどくなるだろう」[米ニューヨーク・タイムズ社説 11/27]

01.Jan 2008 『暗殺 リトビネンコ事件』ネクラーソフ監督に聞く
Hayashi Masaaki's Interview to Andrei Nekrasov, The Film Director of "Rebellion: The Litvinenko Case"

『暗殺 リトビネンコ事件』のレビューと監督へのインタビュー記事を紹介します。書き手は林克明さん。お近くにお住まいの方は、ぜひ記事をご覧になり、そして渋谷ユーロスペースに足をお運びください。

2006年11月23日、ロンドンでひとりの男が殺された。アレクサンドル・リトビネンコというロシアの秘密警察(KGB)の元職員である。この名前を聞いてピンとこなくても、テレビ画面に映された、あの異様な映像を記憶している人は多いだろう。

手術室で医者が着るような緑がかった服(病衣とでも表現したほうがいいのだろうか)を着た男がベッドに横たわっている。すっかり髪が抜けてつるつるになり、薄い眉毛で苦しそうなまなざしだ。はだけた胸には何本もチューブが付けられている。彼の死の直前のようすだ。

元ロシアの“スパイ”であるリトビネンコが、亡命先のロンドンで、製造も入手も困難な「ポロニウム210」という放射性物質を盛られて暗殺されたのだ。

スパイ映画がそのまま現実世界というスクリーンに投影されたかのような事実は世界中を震撼させ た。暗殺の5年前からリトビネンコに密着して数百時間インタビューし、その死に至るまでの映像を納めたドキュメンタリー映画『暗殺 リトビネンコ事件』が完成し、東京渋谷の「ユーロスペース」で公開されている。[MyNewsJapan 1/1]

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